城ケ崎フリークライミング研修

11月23日(土)伊豆城ケ崎でフリークライミング研修を行いました。

「フリークライミングとは?」
自らの手足を使い道具に頼らない岩登りのことを言います。
(クライミングシューズはOKです)
但し、墜落したら落下を止めなければ命がいくつあっても足りません。
なのでそのような時に備え、ロープやプロテクションを使用します。
フリークライミングの定義として、地面から終了点(そのルートの最後)まで一度もロープなどにテンションをかけずに登れたら完登とみなされます。途中でロープに体重かけたらそれは墜落(登れなかった)したと同じになります。

まずはプロテクションの勉強です。
岩場にはアンカーボルトが設置してあります。アンカーボルトにはいろいろな種類がありその特徴や危険性を学びました(今回の岩場にはないので模型で)


本日登る城ヶ崎の岩場は大室山の噴火により流れ出した溶岩が冷えて割れてできたクラックを登るクライミングです。


ここにアンカーボルトは無く、プロテクションはカムと言う道具を使い自分で設置していきます。(画像の岩は城ヶ崎とは関係ありません)


また登り方もジャミングと言うテクニックを使い登ります。
手の甲が痛くなるのでテーピングをします。
これにもいくつかの方法があり、そのうちの一つを学びました。
利き手で反対の手は比較的やりやすいのですが、逆は大変、みなさんテープにもて遊ばれてました。


今回はトップロープでのクライミング。
これは予めロープを設置し墜ちてもロープにぶら下がるだけの比較的安全な登り方です。
また自己流になりがちなビレイ(登る人が落ちた時や終了点から降りるときにロープをコントロールする役目)の正しい方法を学びます。


生憎の天気で雨が降り出しました。
なので岩の下に退避、ここの岩場にはないのですが、他の岩場でよく目にする終了点での安全な結び変え方法を学びます。


何度も反復するうちに登りもビレイも慣れてきて、岩と一体化し皆一様に楽しそうです。
「安全に楽しくクライミング」
安全管理は手抜きなく、登りは楽しく、クライミングは登り切った時の爽快感が格別ですよ。


海外ではクライミングはレジャーの一環です。
興味のある方、日本人は真面目なので何でもできないとダメみたいな風潮がありますが、最低限の安全は学び、あとはプロにお任せ、あまり難しく考えず楽しく登ると言いうのも一つの手です。


晴れたらこのような景色が待っています!


「楽しく登りましょう!」

フリークライミング・インストラクター 富永浩司

2019年度主催事業「ゆるり登山~山伏~」

11月21日(水)に2019年度の主催事業である「ゆるり登山~山伏~」を実施しました。

曇り予報のなか気温は低めでしたが、小春日和の気持ちよさを感じながらの登山でした。
今回は、大きな目的を持っての主催でした。第一に静岡山岳自然ガイド協会の存在と取り組みを知ってもらうこと。
第二に自然観察・解説をたくさん取り入れること。第三に自然環境に配慮(ゴミ拾いを実施)することでした。
冬枯れの山には何も無いイメージですが、実は宝物がいっぱいあります。その反面ゴミも沢山ありました。参加していただいた皆様は、それぞれの感性でツアーを楽しんでいました。

今回の講師は唐橋ガイド、ヨガの先生でもあります。さすが、オーラが輝いています!

冬枯れと青空は気持ちがいいですね。所々自然解説を交えながら。


圧倒的な南アルプスの存在感。クマあしの南アルプス、熱弁トークタイム
ココロはすでに夏山気分!

百名山7座+200、300名山も。

雲に隠れていた待望の富士山も顔を出してくれました。参加者のテンションもMAX!


ミッションであったゴミ拾いも実施です。レトロなゴミが多かったかな。


苔観察タイム。山伏でも苔、楽しめます!

静岡山岳自然ガイド協会では、安全で楽しい登山活動と自然体験活動の普及発展事業を行っていますので、是非、ご参加いただければと存じます。
個性豊かなガイドが皆様をお待ちしております。

担当ガイド:大嶽和彦(おおたけ かずひこ)

入笠山ガイド研修

9月24日に入笠山で研修を行いました。
今年も地質の専門家、富樫氏に講師をお願いして
「地形・地質・自然史に目を向けたガイドツアーを考える」をテーマに
入笠山、入笠湿原、大阿原湿原を巡りながら目の前の景色を観察しつつ
解説していただきながら歩きました。

まずはゴンドラで一気に1780mの八ヶ岳を望む展望台へ。
九州から800km以上も連続してきた西南日本がフォッサマグナによって
スパッと断ち切られるその東のへりの突端にいるという解説から
始まりました。

そして断ち切られた先にある凹地と八ヶ岳は成り立ちが全く違うということ。
入笠山までの地質は2億年以上も前の海底で形成された古い岩、一方
八ヶ岳は数十万年前以降の陸地化後に形成された火山の噴出物。
実際の景色を見ながら分かりやすい説明に皆納得です。

次に入笠湿原を目指しシカ柵の中へ。
エゾリンドウの咲く湿原は高層湿原の南限域であるという貴重な場所。

山頂であいにくの雨になってしまいましたが、山頂に露出している緑色岩に
注目して解説していただきました。

大阿原湿原ではシカの食害による植生の変化を入笠湿原と比較して
見ることができました。

入笠山の新たな魅力を参加者の多くが発見できた研修となりました。

担当ガイド:杉本晴美(登山ステージⅡ、自然ステージⅡ、スキーガイドステージⅠ)

沢登り初級研修

9月13,14日に山梨県にて沢登り研修を実施しました。

沢登りは登山のエッセンスが凝縮されています。整備された登山道では学ぶことのできないルートファインディング、基礎的な岩登り、ロープワーク、滝の巻き、ゴーロでの歩き方など学ぶことは多く山の総合力が試されます。

甲斐駒ヶ岳黄連谷右俣は日本を代表する沢ルート。普通は登山口を早朝に出発し1泊2日で山頂に抜け、黒戸尾根を下るというのがスタンダードですが、今回は研修ということで約半分の千丈ノ滝上までで宿泊としました。

千丈ノ滝上には10人は泊まれる岩小屋があります。甲斐駒ヶ岳のバリエーションの開拓で有名な東京白稜会にちなんで「白稜の岩小屋」と呼ばれます。

快適な夜を岩小屋で過ごした翌朝は、黒戸尾根五合目に向けて急傾斜の斜面に苦しみました。五合目小屋跡からは黒戸尾根の名前の由来の黒戸山へ登りました。
山の総合力が問われる沢登りということで参加者の経験値が上がった研修でした。

担当ガイド:三上浩文(登山ガイドステージⅢ)」

ガイドが使う実践ロープワーク研修

5月9日新人向け ガイドが使う実践ロープワーク研修

新規に静岡山岳自然ガイド協会に加入したガイド向けに、実際ガイド中に役に立つ実践的なロープワーク実習を行いました。


登山ガイドが使う、足元に不安のあるお客様のバランス補助としてのショートロープ歩行技術
自力救助が可能な場所での顧客の引き上げ実習を何度も使えるまで実習を行いました。

担当ガイド:平木 順

危急時対応技術研修

4月22日に毎年総会の翌日開催が恒例になっている会員向けの危急時対応技術講習会を、清里高原で実施しました。
今年のテーマは、ガイド中に一番出くわす可能性の高い中程度の怪我の対応を確実にできるようにすること。

○手首の骨折の固定と包帯法
○足首の捻挫及び骨折の手当と搬送法
軽く捻った程度で本人が歩けそうといった場合
 →テーピングによる固定法、松葉杖歩行のための松葉杖作り、バランス補助のための簡易ショートロープ技術

骨折の疑いのあるとき
 →簡易シーネによる固定、ザック搬送、ザック担架
○実際に登山道で転滑落し上記の怪我が発生した想定で、チームレスキュー実習
ガイドが指揮官としてチームで果たす役割の重要性を理解してもらう。

○他に写真はないですが、山で発生すると厄介な傷病の見分け方の実習を行いました。
脳卒中、心疾患、高山病など

少し汗ばむ初夏のような陽気でしたが、各ガイドとシーズンに向けてよい研修会になりました。

担当ガイド:平木 順

三浦半島海辺のエコツアーガイド研修

6月3日、三浦半島の潮風トレイル(神奈川県三浦市宮川港~剱崎灯台)にて研修を行いました。
ツアーの拠点はマグロの遠洋漁業の町「三崎港」普段山域で活動するガイドが多い中、街歩きからスタートしました。三崎港から宮川港を経由して東京湾の出口、剱崎灯台までの約10㎞です。
トレイルに入ると、三浦半島を構成した伊豆・小笠原弧の海底隆起でできたダイナミックな岩峰を横目に歩いていきます。隆起した岩峰の中には、海底で積もった泥岩やスコリアなど火山活動などでできた地層を観察することができます。
海と岩峰の間の平地には海岸性植物の群落も見られます。
高山植物のように背丈の低い海岸性植物。代表的なもので、サクラソウ科のハマボッスは見ごろを迎えていました。
トレイルの途中には大小いくつかの湾を通りますが、そのうちの1つには広大な干潟が形成されていて、求愛のため手を振るチゴガニや、それを狙うサギ類などの水鳥も見られました。
トレイルのクライマックスは逆断層の壁を通過し、剱崎灯台へ到着しました。
海況が悪い時は通過もままならないため、海況や潮見表などを見ながら歩くなど安全管理も山と異なります。
約10㎞の短いトレイルですが、海岸線の人々の生活や自然を垣間見ながら歩くことができ、海を切り口に色々なことを感じ、体験する研修となりました。

担当ガイド:成相 修

植物研修in長野県小諸

5月15日に長野県の小諸地域で植物研修を行いました。
今回は、植物の基礎知識を確認するもので、
様々な図鑑の使い方についての検証や、
身近に生える道草に注目して自然解説方法や知識を学ぶ研修でした。

予報で怪しかった天気も無事に晴れ、新緑の中気持ちよく歩くことができました。
今回出会った春の可憐な植物たち

何気ない道でも、実際に図鑑を片手にフィールドに出てみると
様々な発見があり、改めて現場で確認する大切さや植物の楽しさを
実感していただけたようです。

また、季節やテーマを変えていろんな切り口で植物に関する研修ができたらなと
思っております。ご参加くださった皆様ありがとうございました。

担当ガイド:北村春夏

天覧山・安全管理研修

3月4日(月)~5日(火)埼玉県飯能市の天覧山で研修を行いました。

研修内容はロープワーク、フィックスロープ、ショートロープ、引き上げ(3分の1)、ロワーダウン、懸垂下降、背負い搬送。

1日目は雨天のため、室内での研修を行いました。
基本的なロープワーク(エイトノット、クローブヒッチ、ムンターヒッチ、ミュールノット、ボーラインノット)と3分の1引き上げシステム、ショートロープのセッティングなどを中心に実地。

2日目は天覧山の岩場やその周辺の傾斜地を使い実践的な研修を行いました。

懸垂下降、引き上げ(3分の1)、背負い搬送を実施。
参加人数が少なかったので、ひとつひとつ細かく検証しながら行うことが出来ました。

参加された皆さんが、とても真剣に熱心に取り組んでいただいたので、充実した研修を行えたと思います。

また、今後は簡単なバリエーションルートで読図やショートロープなど、もっと実践的に行える研修がやれたらと思っています。

担当ガイド:西方 太

信越エリアで雪の研修

2月25日、26日に妙高・黒姫エリアで研修を行いました。
25日は妙高山の外輪山のひとつ、赤倉山でバックカントリースキー研修でした。妙高エリアでも人気のバックカントリースキーで賑わう場所です。
今回は杉ノ原スキー場から入りました。ビーコンチェックから始まり、ルートファインディング、休憩箇所の選択、ペース配分など意見交換しながら先頭を交代しながら終了点まで登りました。

終了点で積雪層の状態をチェックして滑走を始めました。

日差しでザラメに変化した雪面は滑走には良い状態になり気持ちよく滑走できました。



もちろん滑走を楽しむだけではなく、安全管理技術も行いました。スキー板を支点に引き上げや雪崩捜索練習なども色々と試しながらできるのも研修だからこそです。

26日は黒姫高原にある御鹿山周辺で雪のルートガイディング技術と安全管理技術の研修です。この日はスノーシューで行いました。
ルートファインディングしながら自然解説のネタをシェア。

今日は林間の急斜面で引き上げの復習

雪の上でのツエルト設営は時間を制限して行いました。

複数埋没時の雪崩捜索練習もビーコンの機能を確認しながら行い、複数を探す時の難しさも実感しました。

最後は目的地までルートファインディング。

積雪期ならではの技術は練習できる場所も限られますが、遠方からも意欲のある参加者が揃い、みっちりと研修できました。

担当ガイド:杉本晴美