2026年6月SMNGA研修 『技能向上のためのファーストエイド研修』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・各自の救急手当技術向上
  • 開催日時:2026年6月7日(日)
  • 場所:韮崎市民交流センターNICORI
  • 参加人数:3名

研修内容

このところ毎年行っている救急法の研修は、急病や重篤な症状に対応するものなど、純医学的な内容を行ってきました。今回はそれから少し離れて、救急手当技能向上を目的として、参加者個人個人にどのような課題を持っているのかを尋ねながら実施しました。

富士山ガイドを主にされている野崎ガイドから、膝痛を訴えるお客様に合う機会が多いので、それに対応できるテーピングは?の話から始まりました。キネシオテープを使った実習をみんなで試しました。元運動部顧問をされていた戸崎ガイドは慣れたもの。昔は頻繁に行っていたとのこと。ただ山ではスポーツタイツを装着されているお客様が多いので、タイツの上から巻けるサポーターの方が現実的では?という話にもなりました。

足が攣ったトラブルもよく合うものなので、何が効くのか?意見交換しました。医学的には、発汗で体液中のミネラルバランスが狂ったときや、筋肉を使い過ぎたとき、筋肉を動かす神経の誤作動で、足が攣ることが多いそうです。一般的な対策は、漢方薬の芍薬甘草湯の服用をされるお客様が多いみたいですが、救急法の原則に、一般人は薬を処方してはならないとあります。お客様が自分のお持ちの薬を飲む分には問題ないのですが、お客様のアレルギーをはじめ体のことや、薬の副作用を理解していない者が、薬を飲ませるのは禁忌です。そこで水に溶かすタイプのスポーツ飲料や、生味噌タイプの即席みそ汁(あおさのタイプがおすすめ)などを、失ったミネラル補給のためにお客様に提供するなどのアイディアが出ました。

次は野外の怪我の手当の時に便利な三角巾の使い方。これを覚えていると、日本手拭いや、広めの布でも同じように扱うことができます。出来るようでうまく巻けない三角巾と包帯の、いろいろな部位での巻き方を練習しました。

また事故現場で傷病者の全身のチェックをするためだったり、意識のない傷病者を回復体位にしたいとき、傷病者の体位変換をする方法。ちょっとだけ移動したい場合、例えばそこが落石地帯などの危険地帯だった場合。悠長に搬送システムを作っている時間はありません。その時に役立つ徒手による移動方法を練習しました。これらは日常生活で、介護などする際にも大変役に立ちます。相手の重心の位置を考えて、自分の重量を利用して動かすのが最も効果的です。

最後に、普段持ち歩いている装備や、山の中で手に入る木の枝などを利用して、固定や搬送法に役立つシステムの意見交換をして、今回の研修の終わりとしました。
人のやっているのを見るだけではなく、実際に自分の手を動かすことが大事だと感じた研修でした。

2026年5月SMNGA研修 『ガイドに役立つ野鳥の知識と解説ポイント』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・山の中にいる野鳥についてガイド中に解説できる知識を習得する
  • 開催日時:2026年5月23日(土)
  • 場所:霧ヶ峰 八島ヶ原湿原
  • 参加人数:3名

研修内容

長野県の霧ヶ峰で野鳥研修を実施しました。今回で3回目となる野鳥研修ですが、過去2回は上高地で実施しました。霧ヶ峰は高い樹木が多い上高地とは異なり、草地や湿原環境が広がり、草原性の鳥たちが多く生息し、比較的じっくり観察できます。
まずは八島ビジターセンターを訪れ、最近観察されている野鳥や自然情報について確認しました。現地の自然情報を得るには、ビジターセンターの最新情報が非常に役立ちます。

八島ビジターセンターの野鳥情報

情報を得た後、屋内で霧ヶ峰で見られる鳥を中心にクイズ形式で講座を行いました。今回は自然解説の際に活用できる「鳥の名前の雑学」をテーマとし、写真と種名の組み合わせ問題や英名・中国名を当てる問題などを出題しました。
和名だけではなく、英名や中国名を知ることで、その鳥の特徴や人々がどのような視点でその鳥を捉えてきたのかが見えてきます。特にインバウンドを対象にガイディングを行うガイドにとっては、英名を知ることで今後のガイディングにも役立つはずです。登山中の解説では、鳥の形態や特徴だけでなく、名前の由来や別名に触れることで参加者との会話を広げるきっかけになります。自然を伝えるための引き出しを増やしてもらうことも、今回の研修の目的の一つでした。

写真と鳥の名前を合わせるクイズ

講座終了後は霧ヶ峰高原へ移動し、実際に野鳥観察を行いました。
当日はあいにく霧が濃い天気でしたが、期待していたノビタキやアオジなどの草原性の小鳥がさえずる姿をじっくり観察することができました。姿を見ることはできませんでしたが、カッコウやキジの特徴的な鳴き声も聞こえました。さらに、オオジシギの鳴き声も確認。これらの鳥も草原や湿原を代表する鳥であり、霧ヶ峰ならではの自然環境を感じさせてくれました。上高地のような森林環境ではキビタキやオオルリ、シジュウカラ科の鳥が多いですが、今回は出現しませんでした。今回参加したメンバーは上高地の研修にも参加しているので、その違いにも触れることが出来ました。同じ長野県内であっても、環境が変わることで見られる鳥が大きく異なることを改めて実感できる研修となりました。

八島ヶ原湿原の様子

野鳥は山では必ず出会う野生動物です。実際に見ることが出来なくても、その行動や鳴き声、生息環境との関わりを理解することで、参加者へ伝えられる自然の魅力はさらに広がります。今回の研修で得た知識や経験が、参加者の皆さんの今後のガイド活動に活かされ、登山者に自然の面白さを伝える一助となれば幸いです。

【出現種】

キジ、カルガモ、トビ、カッコウ、オオジシギ、ウグイス、ヒバリ、キセキレイ、モズ、ジョウビタキ、ノビタキ、エナガ、シメ、アオジ、ホオアカ、ホオジロ 計16種

ノビタキ♂
アオジ♂
モズ♂