11月18日・19日の二日間、静岡県内でフリークライミング研修を行いました。
天候不順のため日程を入れ替え、初日は岩場でクラッククライミング、二日目はインドアで東京2020オリンピックの競技内容に沿った、模擬競技を行いました。
一日目の研修、場所は伊豆城ケ崎海岸です。
城ヶ崎海岸は、4000年前の大室山の噴火で流れ出た溶岩が海岸まで達し、海などの侵食で出来上がった切り立った崖となっています。その溶岩が冷える過程等で、岩が割れた「クラック」を今回は登りました。
基本となる装具の点検、エイトノット、ビレイ方法などのチェックをします。またテーピング方法なども行います。
クライミングは間違えを起こさなければ比較的安全ですが、間違えは即重大事故につながるので、基本事項は何度もチェック・点検します。
その後クラッククライミングの実践です。
通常のクライミングでは岩の突起を手で持つ・足先で乗り込むことで登るのですが、クラッククライミングは岩の割れ目を利用し、その形に手足の形を合わせてから岩に詰め込む、ジャミングという技を使って登ります。
岩の形態は様々、複数のルートを、それに合わせたジャミングを駆使し登りました。
慣れないジャミングで大変でしたが、クライミングの違ったテクニックを知ることにより、よりクライミングの幅が広がりました。
二日目は富士市にある「サニーロック・ブルーキャニオン」、クライミングジムでの研修です。
東京2020オリンピックで追加種目に採用された「スポーツクライミング」
メディアに取り上げられる回数が増え、街にはボルダリングジムもあふれ、今俄然注目されています。
競技内容は「スピード」・「ボルダー」・「リード」の三種目を一人で行う「複合競技」となっています。
●スピードは速さを競います。
高さ15mの壁をどれだけ早く登れるか
●ボルダーは登れた数を競います。
4課題を時間内にいくつ登れるか
●リードは登った高さを競います。
12m超の高さの壁をどこまで登れるか
これらの競技を、参加者のレベルに合わせた方法で行いました(リードはトップロープで)
実際に模擬競技を行うことで、選手がいかに凄い事を行っているのか実感できました。
特にスピードは登るだけでも大変で、選手のタイムがあまりにも早いことに気付き、みな驚きの連続でした。
模擬競技を通し、皆が一つの目的でクライミングを行うことで、クライミングの楽しさ・面白さを再発見できたようです。
富永 浩司(フリークライミング インストラクター)