八ヶ岳・北横岳研修

10月30日に北横岳周辺で研修を行ないました。
テーマは「地形・地質・自然史に目を向けたガイドツアーを考える」
長野県環境保全研究所の富樫研究員に講師をお願いして坪庭から
北横岳のルートを解説していただきながら歩きました。

ロープウェイで一気に2237mに行ける手軽な散策コースである坪庭は、
約2300年前に噴出されたとされる新しい溶岩でできた台地。
その溶岩流の末端で厚みを実感しました。

粘り気の強い溶岩は外側が固まり、中身はドロドロという状態で形を
崩しながら流れた溶岩を観察し、どこから流れてきたのか確認。

古い火山岩と新しい火山岩の上の植生の違いを感じながら縞枯れ現象を
間近に見ました。

北横岳ヒュッテ近くにある七ツ池は火口跡。

強風の山頂は霧氷で芸術的な自然美となっていました。
山頂では八ヶ岳の火山の歴史をお話しいただき、北横岳は活火山である
と認識しました。

八ヶ岳の魅力を改めて認識できた研修となりました。

ロープウェイで身近に見られる新しい溶岩台地や展望の北横岳への
ガイドのご依頼はぜひ当会ガイドにお声掛け下さい。
楽しく安全にご案内させていただきます。

杉本 晴美 (登山ステージⅡ、自然ステージⅡ、スキーガイドステージⅠ)

埼玉県神川・植物の自然解説研修

自然ガイドの北村です。
9月19日、埼玉県の神川エリアで
「植物の自然解説研修」を行いました。

植物といっても、今回はどこにでも生えている“道草(雑草)”がテーマです。

普段、何気なく生えている道草たちですが、
その背景には、どこにでも生えるための戦略や人々と関わってきた遊びや歴史があります。
今回の研修では、そんな身近な植物を通して、自然の魅力をお客様に伝える技術をブラッシュアップすることを目的としました。

午前中は室内で「危険な植物」や「図鑑」についてなど基本的なことの確認です。

「危険な植物」では、毒やトゲなど直接的な危険だけでなく、“どんな植物に危険生物が寄ってくるのか”や“この植物があるとどんな環境なのか”など間接的にわかる危険も話し合いました。

午後は外に出て、実際に植物観察をしながらその植物の特徴を知ったり、遊びを実体験するなどフィールドワークを行いました。

研修の参加メンバーはいろんな地方から来ているので、自分のフィールドとの違いを実感したり、情報交換により新たな発見が得られたりそれぞれ充実した時間を過ごしていた様子でした。


見慣れた道も改めて図鑑を片手に歩いてみると、思わぬ発見や喜びに出会うかもしれません。
ぜひみなさんも、身近なところにある自然を楽しんでみてください。

自然ガイド 北村春夏

霧ヶ峰・観音沢研修

登山ガイドにとって、その評価が決め手となるほど重要な解説技術。今回は、深田久弥の日本百名山で、遊ぶ山の代表とされる霧ヶ峰の最も美しいコース・観音沢で開催。

初日は、生憎の雨模様。そこで、事前学習として尖石考古館・諏訪大社下社・万治の石仏・神長官守矢氏資料館などを訪ねる。尖石考古館では、霧ヶ峰の歴史の始まる頃のこと、黒曜石に因む事柄を学ぶ。
縄文時代の人々の石器を中心にした生活、2体の国宝の土偶や石棒に見る精神世界、茅葺の家に通じる竪穴式住居。そして、観音沢で何百年も続けてきた下社の御柱の伐り出し。諏訪大社の大祝諏訪氏と神長官守矢氏の関係や守矢氏の祀るミシャクジ様と御頭祭。全てが、明日歩く観音沢と関係しています。

 宿は、霧ヶ峰の歴史には欠くことが出来ない重要な山小屋ヒュッテジャヴェルです。尾崎喜八がフランス人登山家エミールジャヴェルに因み名付けたと言う歴史ある山小屋です。その物語を知ることもガイドの知識欲を満たします。食堂には、先代高橋達郎氏の文の師であった尾崎喜八直筆の美しい詩文や画の師であった熊谷守一の絵が飾られています。

 明くる日は、予報通りに雨は上がり、登山口大平から歩きはじめます。美しい落葉広葉樹の森を抜けて行きます。ミツデカエデ・アサノハカエデなど多くのカエデ科や大きなカツラ、トチノキ、ケヤキが見られます。上流域では、御柱になりそうなモミやミズナラ、ブナも見られます。

途中、ショウキランの群落に出会いました。数年前までは、この付近に多くのシロバナショウキランも自生していましたが、重機が入ってしまい全滅。以後は見ていません。シロバナショウキランは、今井先生の発見された霧ヶ峰の固有種です。このシロバナショウキランもそうですが、このコースにはチョウセンミネバリやブナなど霧ヶ峰では他に見られない貴重な植物が見られます。

 途中にある屏風岩の千手観音や右股にある千手観音菩薩と彫られた石など史跡もあります。旧御射山社の桟敷跡やかわらけ・黒曜石などにも歴史を感じます。

 まさにガイドの解説する要素が盛りだくさんです。このコースを歩き、新人のガイドさんには多くの事を学んでいただきました。ベテランガイドさんにも、改めてこのコースの素晴らしさを感じて頂けたことと思います。
 ただ、いくつかの問題点にも気づかさました。前回も多く見られましたが、チョウセンシマリスが繁殖しています。数年前までは、この辺りにはニホンリスもいましたが最近は見かけません。チョウセンシマリスも可愛いのですが、外来種です。困ったものです。

 この観音沢コースは、私はガイドを始めた頃に見つけ出したコースですが、他の登山者に出会う事がない静かな素晴らしいコースです。歴史や植生も素晴らしく、まさにガイドと共に歩いてこそ価値あるコースだと思います。しかし、一般の不慣れな登山者にはリスクが高いコースであることも事実です。途中、屏風岩が下流側の崩落に続き、上流側が崩落していました。壁中央部に安置されている千手観音は無事ですが、この付近は非常に危険です。くれぐれも崩落した岩の上を歩くとか、岩壁の下に入るようなまねはしないでください。
また、渡渉も何か所ありますので丸木橋での転倒にも注意が必要です。上部の細い急な箇所でも転落に注意が必要です。

このコースを歩いてみたいと思われた方は、ぜひ当会のガイドにご依頼下さい。
安全に楽しくエスコートさせて頂きます。
最適期は、この6月と10月の紅葉期です。

上野 真一郎 (自然ステージⅡ・山岳ステージⅠ)

丹沢ジオサイト研修

5月1日(火)神奈川県の丹沢エリアにて「丹沢ジオサイト研修」を実施しました。
丹沢が火山島だったという自然遺産の証拠探し・「枕状溶岩」のサイトを紹介することが目的。
午前中は西丹沢南沢にある自然遺産が同化して山地となった枕状溶岩や火山岩である流紋岩(ガーネット入り)サイトを巡検。

午後は「生命の星・地球博物館」の外来研修員である門田先生の講演と小菅沢の枕状溶岩サイトを巡検案内していただきました。
NHKジオジャパンでお馴染みになりました「枕状溶岩」と門田先生が発見しましたアオサンゴ化石、オウムガイ(アツリア化石)のことも含め、先生から野外講演の形で直に説明を受け、サイト案内をして頂きました。

「丹沢にも、ジオサイトがあるの?」という事が一般的に普通な丹沢山地での登山者コメントだと思います。
参加者の数人の方は、丹沢が南からの火山島・付加体ということを知らない方が数人、参加者の丹沢認識を一新していただけたようで、ジオ研修の甲斐があったと思っています。
伊豆に負けないジオ丹沢の大地だと私は思っています。
今回はサイト紹介で登山が伴わないサイト見学研修でしたが、楽しんでいただけたら幸いです。

登山&自然ガイド  里見 豊

危急時対応技能研修

SMNGAで年間のガイド研修企画を担当している杉本です。
当会ではほぼ月1回、危急時対応技術、古道・ジオツアー、
自然解説技術、クライミング、安全管理技術、積雪期解説、
積雪期安全管理など様々な内容の研修を企画実施しています。

自然ガイド、登山ガイド、山岳ガイド、クライミングインストラクター
が集う当会ならではの研修内容となっています。

総会翌日に新年度一つ目の研修は「危急時対応技術」
研修に参加会員のリクエストで内容を進めました。

登山中に発生する「靴底が剥がれる」いうトラブルへの対処法を
各自の持ち物で検証。
ゴムチューブで固定

三角巾の使用法や登山中にあり得る怪我や症状への対応を確認。
手首の骨折の固定

足首の捻挫にテーピング

低体温症への対処

ロープやスリングを使ったハーネスやザック搬送のバリエーションを
参加者でシェア。
スリングを使ったハーネス

ザック搬送

斜面で引上げ

ガイド中は十分に安全管理に配慮していますが、突然のトラブルに
対応できるよう研修しています。

NPO法人静岡山岳自然ガイド協会・総会

今年度より広報を担当することになったNPO法人静岡山岳自然ガイド協会(以下SMNGA)成相と申します。
このブログでは、SMNGAでのガイド研修報告や活動について紹介していきたいと思っております。

4月23日(月)2018年度の総会が長野県小諸市にある安藤百福記念自然体験指導者育成センターにて実施されました。

20名の出席者が集まり、新年度の活動について話し合いが行われました。
SMNGAでは、静岡に限らず全国で活動するプロガイド集団です。
総会では、昨年度のふりかえりから、新年度の活動についてなど有意義な話し合いが行われました。

明日はSMNGA内での研修が予定されています。私たちが普段どんなことをしているのかまたブログにて紹介していければと思っています。