9月24日に入笠山で研修を行いました。
今年も地質の専門家、富樫氏に講師をお願いして
「地形・地質・自然史に目を向けたガイドツアーを考える」をテーマに
入笠山、入笠湿原、大阿原湿原を巡りながら目の前の景色を観察しつつ
解説していただきながら歩きました。
まずはゴンドラで一気に1780mの八ヶ岳を望む展望台へ。
九州から800km以上も連続してきた西南日本がフォッサマグナによって
スパッと断ち切られるその東のへりの突端にいるという解説から
始まりました。
そして断ち切られた先にある凹地と八ヶ岳は成り立ちが全く違うということ。
入笠山までの地質は2億年以上も前の海底で形成された古い岩、一方
八ヶ岳は数十万年前以降の陸地化後に形成された火山の噴出物。
実際の景色を見ながら分かりやすい説明に皆納得です。
次に入笠湿原を目指しシカ柵の中へ。
エゾリンドウの咲く湿原は高層湿原の南限域であるという貴重な場所。
山頂であいにくの雨になってしまいましたが、山頂に露出している緑色岩に
注目して解説していただきました。
大阿原湿原ではシカの食害による植生の変化を入笠湿原と比較して
見ることができました。
入笠山の新たな魅力を参加者の多くが発見できた研修となりました。
担当ガイド:杉本晴美(登山ステージⅡ、自然ステージⅡ、スキーガイドステージⅠ)