2026年9月SMNGA研修 『天気図研修』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・天気図から気象条件を判断するための基本スキルを確認する
  • 開催日時:2026年9月12日(土)
  • 場所:八ヶ岳自然文化園
  • 参加人数:6名(講師含む)

研修内容

各地の気象

当協会のガイドはさまざまなエリアで活動しています。今回は東京、神奈川を始め、愛知、大阪、鳥取のガイドが参加。研修は自己紹介を兼ねた各地の気象の特徴紹介から始まりました。

地元の気象条件を説明するガイド

参加者の説明に引き続き、講師から各地域の気象条件の追加説明がありました。気象は地形の影響を受けて大きく変化します。その中でも山岳は雨を降らせる雲を作る契機となるため、地形図は登山ルートの確認だけでなく、風向の変化や上昇流の発生を知るためにも欠かせないことを痛感しました。

天気図の見方

ガイド業務の一環として天気図の解析は欠かせません。天気図に表現される気圧配置は季節ごとの特徴があり、今回はこれを体系的にぶ良い機会となりました。基本が大切であることを改めて実感しました。

正解は天気図2が6月5日です(ヒントは太平洋高気圧)

研修の合間には理解度を試すクイズがあり、気を抜くことができません。

雨による災害と防災気象情報

雨にはしとしとと長く降る雨と、激しく降る豪雨があります。豪雨にも短時間で集中的に降る雨と、1日程度もしくはそれ以上続くものがあります。降雨時間が長いほど、氾濫・浸水や土砂災害の被害度合いが大きくなります。

山中だけでなく、登山口から自宅への移動時にも雨の被害に遭う可能性があります。お客様に安全に帰路についていただくため、雨による災害と5月から開始された防災気象情報を再確認しました。

新たな防災気象情報

講師から8月後半に大雨が続いた気象条件の解説があり、高層天気図の使い方の奥深さを知りました。また、参加者からは燕岳をガイド中に近くで落雷があり緊張した体験が共有されました。

八ヶ岳にかかる雲を見ながら観天望気

研修は野外での観天望気も行い、楽しく進行しました。また、講師には参加ガイドが日頃抱いていた疑問がぶつけられました。白い雲と黒い雲の違いや、西高東低の気圧配置と南岸低気圧による雪が降るメカニズムの違いについて妙に詳しく語るガイドに出会ったら、本研修の参加者かもしれません。

2024年10月SMNGA研修 『みんなの気象体験』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・ 山岳気象シナリオの作成方法を学ぶ
    ・ 所属ガイド6名による講演
  • 開催日時:2024年10月23日(水) 10:00~16:00
            10月24日(木)9:15~16:00
  • 場所:八ヶ岳自然文化園
  • 参加人数:20名(延べ)

研修内容

気象遭難を回避するために天気図をどのように使って行動判断すれば良いのか。当会所属の気象予報士でもあるガイドが開発した「山岳気象シナリオ・シート」を使って気象リスクを評価する練習を行いました。

初参加者でも天気図の読み取り方を教わり、自信を持って気象判断を行なっていました。今後は実地で経験を重ねることで迅速な判断ができるようになるでしょう。

2日目は6名のガイドが登壇し、気象体験談を披露しました。山岳気象シナリオ・シートの活用事例や各ガイドの得意エリアにおける気象の地域特性をテーマに熱のこもったトークが続きました。また2名のガイドからは気象遭難の実例が紹介されました。両名ともガイドになる前の体験で、事故をきっかけにガイドになる決意をしたそうです。
天候が悪化すると登山者はどのように追い込まれていくのか、あるいはどの時点で山行を中断すべきなのか。経験がないと想像がつきにくいのですが、このような研修を繰り返し私たちは研鑽を続けています。

気象講座 気象解析に基づく行動判断

研修の概要

  • 研修の目的:
    地上天気図や高層天気図などの気象情報を活用して山行期間にわたる気象変化をとらえ、天候の悪化を事前に予測・回避する客観的な手法を習得する。
  • 開催日時:2023年10月14日(土)〜15日(日)
  • 場所:八ヶ岳自然文化園 研修室
  • 参加人数:26名(延べ)

研修内容

私たち山のガイドはお客さまに山を楽しんでいただくお手伝いをするのが務めですが、その前提になるのが「安全」です。天気の良い日の登山は楽しいものですが、ときに気象が脅威となることがあります(写真1)。

(写真1) 風雨の強い日の登山は注意

今回は気象予報士でもあるガイドが講師となり、2日間にわたって天気図の読み取りとそれに基づいた行動計画の作成、山行の判断とお客さまへの伝え方についてじっくりと研鑽を積みました。

研修は講義、実習、グループディスカッションの形式で行われました(写真2)(写真3)。ガイド研修は山域で行うのが通常ですが、本研修は八ヶ岳の自然豊かな環境の施設内での開催となりました。

(写真2)講義の模様
(写真3)実習に熱が入ります

参加したガイドからは「明日からの山行に反映させたい」という熱意が感じられ、講師をたじたじ状態にするほど質の高い質問が飛び交いました。

過去の気象遭難の事例を研究すると、天気図の解析が不十分であったり、自己の経験に基づいた主観的な判断が主たる原因のようです。一方、最近は多くの気象情報が入手可能となりましたが、それを効率よく使いこなす技術は利用者に委ねられています。

このような状況を踏まえ、本研修は安全性を判断するのに必要十分な天気図の種別と解析手法を明らかにし、それをもとに作成する「山岳気象シナリオ」という行動計画表は、誰が見ても同じ判断ができるような工夫がされていました(図1)。

(図1)山岳気象シナリオの例(ぼかしが入っています)

2日目の午後はケーススタディの演習でした。過去の天気データを各自で解析してシナリオを作成、目的の山行が危険な場合は代替ルートを検討してお客さまにご説明するという一連のフローを確認しました。

これからガイドは自分の活動する山域や職能に応じて各自で落とし込みを行い、みなさまの頼りになるパートナーとして活動してまいります。

研鑽を積むガイドたちを八ヶ岳がやさしく見守ってくれていました(写真4)。

(写真4)まるやち湖から見た八ヶ岳