2026年6月SMNGA研修 『沢歩き・幕営・読図 研修』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・リーダーとして沢に行く時に必要な意識や技術を学ぶ
  • 開催日時:2026年6月5日(金)~6日(土)
  • 場所:釜ノ沢東俣
  • 参加人数:8名

研修内容

山の総合力が必要と言われる沢登り。滝を登ったり巻いたりするための見立てや、安全確保するためのロープワーク、現在地把握のための読図とコンパスワーク、身体を休めるための幕営生活技術が必要です。
今後リーダーとして沢に行く時に必要な意識や技術を学びました。

様々なロープワーク

崩壊した旧登山道や滝の巻きでフィックスロープの設置やスリングで簡単な持ち手を作ってフォローするなど症状に合わせてロープワークの実践
枝分かれする沢の中でコンパスワークによって現在地を求める方法、沢を横断する場所の見立てや渡渉方法を繰り返し実践しました。

タープ泊

幕営地ではタープを使用して、合宿のような雑魚寝スタイルとしました。行動を終えるころに8名が快適に寝れる幕営適地を探すのが至難の技ですが、ちょうど良い場所が見つかり石拾いから整地とタープ設営、地面へのダメージに配慮して焚き火シート利用した焚き火を囲みました。
同じ協会のガイドとはいえそれぞれ違うスタイルで活動されており色々と話せて良い夜でした。

下降技術

2日目は朝のみ遡行して予定通り同ルートを下降。上りと同様にフィックスロープで通過したり、下りのため懸垂下降に切り替えたりして下山しました。

リーダーに必要なこと

”行動しながら観察→自然環境の状況判断→弱いメンバーに何かフォローが必要かを決定→必要なフォローを実践”というサイクルを繰り返し行動すること。
自分自身へ余計なバイアスをかけずに常に自然に対してフラットに対しつづけること。を学んだ研修となりました。

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2026年6月SMNGA研修 『技能向上のためのファーストエイド研修』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・各自の救急手当技術向上
  • 開催日時:2026年6月7日(日)
  • 場所:韮崎市民交流センターNICORI
  • 参加人数:3名

研修内容

このところ毎年行っている救急法の研修は、急病や重篤な症状に対応するものなど、純医学的な内容を行ってきました。今回はそれから少し離れて、救急手当技能向上を目的として、参加者個人個人にどのような課題を持っているのかを尋ねながら実施しました。

富士山ガイドを主にされている野崎ガイドから、膝痛を訴えるお客様に合う機会が多いので、それに対応できるテーピングは?の話から始まりました。キネシオテープを使った実習をみんなで試しました。元運動部顧問をされていた戸崎ガイドは慣れたもの。昔は頻繁に行っていたとのこと。ただ山ではスポーツタイツを装着されているお客様が多いので、タイツの上から巻けるサポーターの方が現実的では?という話にもなりました。

足が攣ったトラブルもよく合うものなので、何が効くのか?意見交換しました。医学的には、発汗で体液中のミネラルバランスが狂ったときや、筋肉を使い過ぎたとき、筋肉を動かす神経の誤作動で、足が攣ることが多いそうです。一般的な対策は、漢方薬の芍薬甘草湯の服用をされるお客様が多いみたいですが、救急法の原則に、一般人は薬を処方してはならないとあります。お客様が自分のお持ちの薬を飲む分には問題ないのですが、お客様のアレルギーをはじめ体のことや、薬の副作用を理解していない者が、薬を飲ませるのは禁忌です。そこで水に溶かすタイプのスポーツ飲料や、生味噌タイプの即席みそ汁(あおさのタイプがおすすめ)などを、失ったミネラル補給のためにお客様に提供するなどのアイディアが出ました。

次は野外の怪我の手当の時に便利な三角巾の使い方。これを覚えていると、日本手拭いや、広めの布でも同じように扱うことができます。出来るようでうまく巻けない三角巾と包帯の、いろいろな部位での巻き方を練習しました。

また事故現場で傷病者の全身のチェックをするためだったり、意識のない傷病者を回復体位にしたいとき、傷病者の体位変換をする方法。ちょっとだけ移動したい場合、例えばそこが落石地帯などの危険地帯だった場合。悠長に搬送システムを作っている時間はありません。その時に役立つ徒手による移動方法を練習しました。これらは日常生活で、介護などする際にも大変役に立ちます。相手の重心の位置を考えて、自分の重量を利用して動かすのが最も効果的です。

最後に、普段持ち歩いている装備や、山の中で手に入る木の枝などを利用して、固定や搬送法に役立つシステムの意見交換をして、今回の研修の終わりとしました。
人のやっているのを見るだけではなく、実際に自分の手を動かすことが大事だと感じた研修でした。

2026年5月SMNGA研修 『ガイドに役立つ野鳥の知識と解説ポイント』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・山の中にいる野鳥についてガイド中に解説できる知識を習得する
  • 開催日時:2026年5月23日(土)
  • 場所:霧ヶ峰 八島ヶ原湿原
  • 参加人数:3名

研修内容

長野県の霧ヶ峰で野鳥研修を実施しました。今回で3回目となる野鳥研修ですが、過去2回は上高地で実施しました。霧ヶ峰は高い樹木が多い上高地とは異なり、草地や湿原環境が広がり、草原性の鳥たちが多く生息し、比較的じっくり観察できます。
まずは八島ビジターセンターを訪れ、最近観察されている野鳥や自然情報について確認しました。現地の自然情報を得るには、ビジターセンターの最新情報が非常に役立ちます。

八島ビジターセンターの野鳥情報

情報を得た後、屋内で霧ヶ峰で見られる鳥を中心にクイズ形式で講座を行いました。今回は自然解説の際に活用できる「鳥の名前の雑学」をテーマとし、写真と種名の組み合わせ問題や英名・中国名を当てる問題などを出題しました。
和名だけではなく、英名や中国名を知ることで、その鳥の特徴や人々がどのような視点でその鳥を捉えてきたのかが見えてきます。特にインバウンドを対象にガイディングを行うガイドにとっては、英名を知ることで今後のガイディングにも役立つはずです。登山中の解説では、鳥の形態や特徴だけでなく、名前の由来や別名に触れることで参加者との会話を広げるきっかけになります。自然を伝えるための引き出しを増やしてもらうことも、今回の研修の目的の一つでした。

写真と鳥の名前を合わせるクイズ

講座終了後は霧ヶ峰高原へ移動し、実際に野鳥観察を行いました。
当日はあいにく霧が濃い天気でしたが、期待していたノビタキやアオジなどの草原性の小鳥がさえずる姿をじっくり観察することができました。姿を見ることはできませんでしたが、カッコウやキジの特徴的な鳴き声も聞こえました。さらに、オオジシギの鳴き声も確認。これらの鳥も草原や湿原を代表する鳥であり、霧ヶ峰ならではの自然環境を感じさせてくれました。上高地のような森林環境ではキビタキやオオルリ、シジュウカラ科の鳥が多いですが、今回は出現しませんでした。今回参加したメンバーは上高地の研修にも参加しているので、その違いにも触れることが出来ました。同じ長野県内であっても、環境が変わることで見られる鳥が大きく異なることを改めて実感できる研修となりました。

八島ヶ原湿原の様子

野鳥は山では必ず出会う野生動物です。実際に見ることが出来なくても、その行動や鳴き声、生息環境との関わりを理解することで、参加者へ伝えられる自然の魅力はさらに広がります。今回の研修で得た知識や経験が、参加者の皆さんの今後のガイド活動に活かされ、登山者に自然の面白さを伝える一助となれば幸いです。

【出現種】

キジ、カルガモ、トビ、カッコウ、オオジシギ、ウグイス、ヒバリ、キセキレイ、モズ、ジョウビタキ、ノビタキ、エナガ、シメ、アオジ、ホオアカ、ホオジロ 計16種

ノビタキ♂
アオジ♂
モズ♂

2026年5月SMNGA研修 『ガイド中のお客様に向けての歩き方、ストレッチ指導の仕方について』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・ガイド中、お客様へ向けて正しい歩き方の指導方法や準備運動、ストレッチの仕方、エネルギー補給や水分補給の仕方について
  • 開催日時:2026年5月21日(木)
  • 場所:長野県松本市 カリマ塩尻
  • 参加人数:14名

研修内容

山岳トレーナーとして活動されている安藤麟さんを外部講師として、ガイド中に役立つ正しい歩き方の指導方法やストレッチの仕方などの体の知識について詳しく教えていただきました。

下山で多く発生する膝が痛いトラブルの多くはオーバーユース(使いすぎ)により起こり、後ろ重心状態で下山をしてしまうために膝へのストレスが多くかかるという事も原因の一つであるという事で、どういった登り方や下り方が体への負荷が少なく、故障せずに歩けるのかという事を安藤さんが説明してくれて参加者同士で確認しました。

またお客様にどのように声掛けをしたらわかりやすく伝わるのか、という点も参加者同士がペアになり実践してみましたが、自分が分かっていることや伝えたいことを相手に的確に伝えることはとても難しいなあと感じました。
講師の安藤さんのお手本を見せていただきましたが、例えが分かりやすく指導に慣れている方の説明は腑に落ちるものがありました。

ガイド前に行うウォーミングアップについても、ウォーミングアップは必要かというところから始まり、体温を上げ、筋肉や関節を動きやすくするものであることが大切なため、それに即した運動や下山後のクールダウンのストレッチをいくつか教えていただき、参加者で実践しました

学ぶ内容がとても多く、充実した講習でした。ガイドとして活動している会員も多く、お客様がこういう場合はどのようにしたらいいのか、などの質問も多く挙がりこれからの夏山シーズンを迎えるにあたりガイド活動に活かしていける研修であったと感じました。

2026年5月SMNGA研修 『自然解説研修』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・自然解説技術の習得
  • 開催日時:2026年5月12日(火)
  • 場所:山梨県本栖湖周辺地形
  • 参加人数:9名(講師1名含む)

研修内容

山行で目にする樹木や草花の見分け方や自然解説のコツ(ネタ)を学んだり、ネイチャーゲームで五感を刺激しながら、気にも留めていなかった自然に興味を持ってもらうことを学びあいました

説明を聞くだけでなく自分の目で観察したり、樹皮を触ったり五感を使って観察します。

ネイチャーゲームを取り入れ、自然観察に対する繊細な感覚を養います。

今回は近くに史跡があり立ち寄りました。地域の歴史・文化を理解し、伝えていくのもガイドの役割です。
青木ヶ原樹海の残る溶岩の石積み遺構です。戦国時代に武田氏が城山防御のために築いた軍事施設の一部と考えられています
自然解説を苦手としているガイドもいますが、好奇心を持って身のまわりの自然に対し五感を研ぎ澄ませると色々な疑問や不思議が出てきます。
それを調べるとまた新たな疑問が生まれてくるかもしれませんが、疑問を解決しながら「わかった」という経験を積んで自分の引き出しを増やしてほしいと思います

2026年4月SMNGA研修 『危急時対応研修』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・事故状況発生~救助隊受け入れ態勢まで、自身で判断・実践する
  • 開催日時:2026年4月18日(土)
  • 場所:小諸市安藤百福アウトドアアクティビティセンター敷地内
  • 参加人数:14名(講師1名含む)

研修内容

総会の前日、恒例の危急時対応研修会を行いました。

今年のテーマは、実戦状況に近い総合技術。事故状況発生~救助隊受け入れ態勢まで、判断することやれること

普段の訓練では、「ロープワーク」、「応急手当」、「引き上げ技術」、「搬送技術」、「総合判断」をそれぞれ別々の研修で行うことが多いです。

理由はそれぞれの技術で1日では終われないほどの内容があるためです。

ただ、いざ山中で状況発生したとしたら、すべての技術をガイドの判断の下に行う必要があります。

今回の想定状況は・・・

想定状況

[事故想定]登山道からパーティーメンバー1人が急斜面を10m程度滑落した。

[傷病想定]意識清明。足に怪我をして自力で登り返すことができない。また手も酷い擦過傷を負い、それもまた自力移動の障害になっている。ヘリ救助推奨。

[現場想定]要救助者が滑落した場所はそのままにしておくと再滑落の危険性がある斜面。携帯電話の電波エリア内。天候は晴れで微風、ヘリが飛ぶのに支障ない。ただし密な樹林帯でヘリピックアップのためには少しの距離搬送する必要がある。

[今回求めたこと](要救助者以外の参加者の安全を確保したうえで)要救助者への安全なアプローチと再滑落防止措置、要救助者の状態判断と必要な応急手当、要救助者を登山道まで引き上げ、ヘリピックアップポイントまでグループ搬送。

ガイドの体格と要救助者の体格、パーティーメンバーの年齢層と体力・人数・経験値、疲労度、時刻、季節、天候、場所などで正しい判断が変わってきます。

この手の研修を一般向けにすると、正解は何ですかと質問をよく受けるのですが、1つだけの正解というものはありません。

無数の不正解と、ベター、よりベターな解があります。研修を繰り返していくことでよりベターな解に早くたどり着くことができるようになります。

今年は期限切れの熊スプレー3本を使って、試射会も行いました。普段熊スプレーを持ち歩いていても、高価なのでなかなか自分で噴射したことがない人が多いんですよね。

今年のガイド活動への準備も万全です。

2026年4月SMNGA研修 『ガイドに役立つチョウの知識と情報』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ①「春の女神」ギフチョウの観察(石砂山のフィールドワーク)
    ②ガイドに役立つ蝶の知識と情報の提供(研修室での机上レクチャー)
  • 開催日時:2026年4月13日(月)
  • 場所:神奈川県相模原市緑区藤野町 石砂山と篠原の里センター
  • 参加人数:7名(講師1名含む)

篠原の里(しのばらのさと)

石砂山(いしざれやま)
神奈川県相模原市緑区に位置する標高 578m の山。
<山の名前の由来>
礫岩(れきがん)が風化してバラバラになった小さな石や砂を古語で「ざれ(砂礫)」と呼んだので、「石がざれる(砂礫化する)山」として「石砂山(いしざれやま)」と名付けられたと言われています。

研修内容

本研修の目的

山や草原などのフィールドをガイドしていているときに、多くの蝶に出会うことがあります。華やかで目立つ蝶はお客様からもその名前を聞かれることがしばしばあります。本研修は、単なる蝶の名前の紹介に留まらず、その種に関する話題や、季節や標高によっての違いや、ホストとしている植物などの環境要因とも絡めてその生態系に迫り、総合的に自然や環境を考え、それを皆さんに提供できることをねらいとして設定しました。

研修内容

今回、フィールドワークの対象としたギフチョウは、黄色と黒の模様の美しい蝶であり、標高500m程の地域では4月上旬のみに発生する蝶で、カタクリや山桜などの花で吸蜜する姿は、まさに絵になる光景で「春の女神」と呼ばれています。日本の固有種であり、かつては日本全国の里山に広く分布していましたが、現在はその生息地は極めて限られており、場所によって天然記念物にも指定され、保護されている大変、貴重な蝶です。神奈川県ではかつて丹沢山域にも生息地がありましたが、現在では藤野町周辺の里山に限られています。石砂山はその産地で遭遇する確率が高く、さわやかな森の中で「春の風物詩」を堪能しながらギフチョウを探しました。

カタクリの花とギフチョウ

蝶は季節や天候に左右される生物です。特にギフチョウは陽差しがある時にのみ飛翔し、曇るだけで姿を消します。また発生時期も4月初旬の10日カタクリの花とギフチョウほど、翔ぶ時間帯も午前中のみに限られ、春の不安定な気象変化の中で、さらに温暖化の加速によって季節が前後する現代の地球環境下において、ドンピシャでその条件に合わせるのは難しいものがあります。

下見をした4月8日は快晴無風の好条件で、数頭(蝶は1頭、2頭と数える)のギフチョウに出会えましたが、その2日後に春の嵐が吹き荒れて、下見からわずか5日後の当日は、花が散り、新緑が芽吹く初夏の山の光景に一変していました。天気も9時までは晴れだったものの、その後、曇りに転じ、残念ながらこの日は1頭も見ることができませんでした。途中ですれ違った年配の女性ハイカー達に「先週は乱舞していたのにねえ」と言われ、さらに悔しい思いが募りました。

ギフチョウの幼虫は、ウマノスズクサ科のカンアオイを主な食草としています。木漏れ日が差す、広葉樹林帯の林床に生えるこの植物の葉の裏側に成虫は産卵します。その卵は球形で表面には薄緑色の光沢があり、拡大すると「真珠」のように見えます。成虫に遭遇できなかったので、みんなカンアオイの裏側を「真珠」「真珠」と言いながら、葉をめくって探しまくりました。傍から見るとそれは奇妙な光景です。
しかしこれも不発。人がよく通る山道沿いには産卵しないか、人通りが多いので盗掘されてしまっていたのかもしれません。

ギフチョウが舞う木漏れ日指す尾根道
幼虫の食草 カンアオイ
葉の裏に卵を探す

この日、主目的だったギフチョウには出会えませんでしたが、春の里山を代表する「ツマキチョウ」「ミヤマセセリ」「コツバメ」「スジグロシロチョウ」を見かけることはできました。

ミヤマセセリ
ツマキチョウ
スジグロシロチョウ

山から下りてきてからは、廃校になった小学校を利用してNPOが運営する「篠原の里センター」で、研修を行いました。パワーポイントソフトを使って、以下の内容について説明しました。

篠原センター(小学校跡地)
  1. チョウの魅力と分類
    自分と蝶の出会い、蝶と蛾の違い、名前の意味、食草と食樹
  2. ギフチョウについて
    その特徴、近縁種のヒメギフチョウとの見分け方と棲み分け、春の代表的な蝶
  3. ガイド時によくみられるチョウ
    これだけは知りたい高原のチョウ10種
  4. 高山チョウ
    高山でみられる氷河時代の遺産
  5. 渡りをするチョウ
    よく見られるアサギマダラは「スーパーバタフライ」
  6. チョウの地政学 温暖化や台風の影響
    温暖化で北上している蝶、台風に紛れて訪れる南方の蝶

このレクチャーでは、すべての蝶を覚える必要はない。ガイド時によく見かける種のみ覚えたり、ある種の蝶の話題、その地域に絡む蝶の特性を確認したりするなど、事前に知識や情報を蓄えておけば、山行がより豊かなものになり、「今まで見えなかった景色」が「見えるようになっていく」というコンセプトで行いました。

最後に実際のガイド場面で役立つように、蝶のカードを用意しました。これはガイド時によく出会う、「高原の蝶」「高山蝶」「森の中の蝶」で、その代表例をそれぞれ10種ずつ用意したものです。併せて、それぞれの蝶の幼虫の食草・食樹も10種ずつ用意し、それを表裏貼り合わせると、蝶とその蝶の食草・食樹がわかるようにしたものです。それをパウチしてお土産としてお持ち帰りいただきました。図鑑としても、カードゲームとしても、現場で活用できると思います。
今回、初めて行った蝶に関する研修でしたが、参加者の皆さんに大変満足していただけ、充実した講習になりました。

2026年3月SMNGA研修 『積雪期安全管理研修』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・ビーコンサーチトレーニング、捜索の流れの確認と精度向上
  • 開催日時:2026年3月2日(月)
  • 場所:新潟県湯沢町平標山山麓
  • 参加人数:5名(講師1名含む)

研修内容

雪山において、雪崩に遭わない行動をすることが大切ですが、もし遭遇してしまった場合、埋没者をいかに素早く救助するかが重要です。限られた時間内(およそ15分以内)で雪山の3種の神器「ビーコン」「プローブ」「シャベル」を活用し、救助することが求められます。これらを正しく使い1秒でも早く救助する為、基礎内容の確認から実践を想定したトレーニングまで行いました。


まず、ビーコンに関しては正しく電波を送受信出来なければなりません。そのためには電波干渉を考える必要があり、送信時は電子機器を含む金属類から20cm離すこと、受信時は電子機器より50cm離すことが重要です。実際に10mの距離を離した発信側のビーコンと受信側のビーコンにスマートフォンなどの電子機器やアルミパウチのゼリー飲料など金属を近づけ受信距離にどのくらい影響を及ぼすか確認をしました。
次に入山する際に行うグループチェックの方法に関して実践しました。
ポイントとしてはハーネス装着時の画面の向き、電池残量の確認、スマートフォンなどの電子機器や金属との位置関係、レイヤリングを考慮したハーネスの位置、グループチェック機能の活用、受信チェック時の距離などになります。


曲線を描くように発信される電波特性、概ね1秒の電波発信間隔、これらを意識しながら「シグナルサーチ」「コースサーチ」「ファインサーチ」それぞれの段階で速度と精度のバランスを確認しました。
コースサーチの終盤では精度が重要となってくる為、スピードを抑えることを特に意識して行いました。これは後のファインサーチの時間を減らすことに繋がる為、結果として速い捜索になることを確認しました。

プローブに関しては埋没位置のピンポイント特定として、持ち方、刺し込みの深さ、角度、刺し込み間隔を意識し実施しました。ビーコン不携帯者の捜索方法として用いられるラインプロービング(効率的に広範囲を探す手法)の確認も行いました

スパイラルプロービング
ラインプロービング

シャベリングに関しては迅速な掘り出し作業と体力が必要な為、ポジションのローテーションのタイミング、各ボジションの役割を確認し、実践しました。また、硬い雪の場合のシャベルの使い方も含め確認しました。

ジャベリング

それぞれの動作を確認後、雪崩に遭遇したことを想定してグループレスキューを実践しました。ここではリーダーによる指示、チームワークが重要なポイントとなります。シナリオ終了後、振り返りを行い、良かった点、改善すべき点を話し合い個々の技術を高め合いました。

雪山は夏山とは違った魅力がたくさんあります。一方、雪山ならではのリスクがあることも忘れてはいけません。リスク回避の方法と有事の際に適切な行動がとれるかが重要となります。正しい知識を持って雪山を楽しんでいきましょう。

2026年2月SMNGA研修 『ジオ研修』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・伊豆半島の地理的(ジオ)成立を学び、ガイド活動に生かす。
  • 開催日時:2026年2月24日(火)
  • 場所:達磨山、丹那周辺
  • 参加人数:11名

研修内容

2月24日(火) 伊豆半島にてジオの研修を行いました。
今回も昨年に引き続き、伊豆半島ジオガイド協会の加藤健司さんにガイドをお願いいたしました。

まずは修善寺にある伊豆半島ジオパークミュージアム“ジオリア”にて加藤さんから伊豆半島の成り立ち等についての解説を受けました。

伊豆半島はフィリピン海プレートに属しており、100万年前に本州に衝突したのだそう。伊豆半島の南側は海底火山が多いが、北側は陸上火山が多いという事もジオリアの展示を見るとよくわかります。
驚いたことに入館料は無料!とても興味深い内容の展示ばかりで、是非立ち寄っていただきたい施設です。

伊豆半島はもともと海底火山であったという話など含め、天城山の成り立ちについて解説している加藤さん。事前に予約すれば、解説もしてくれるそうです。

ジオリアの後は場所を移動して達磨山へ。達磨山は陸上火山であったことや、昔の火口の様子を海側に見ることができること、下の写真の戸田の町は噴火口の一部である事などを学んだあと、実際に観察してみます。

達磨山の後は丹那断層公園に移動して、1930年に発生した北伊豆地震で断層がずれた様子を観察しました。

なぜ丹那が牛乳で有名なのか、その秘密も思いがけず知ることができました。
最後は火雷神社へ。
こちらも1930年に丹那断層で発生した北伊豆地震(M7.3・震度7)によって、神社の石段と鳥居の間に約1mの横ずれが生じました。
実際に観察に行くとずれているのが分かります。

今回の研修は色々と知りたいことばかりで、少し詰め込み気味になりましたが、伊豆半島の面白さをまた一つ知ることができました。

2026年SMNGA主催事業 『ガイドと登る「満観峰470m」』

内容

2月14日(土)に静岡山岳自然ガイド協会が主催した登山ガイドと登る「満観峰」を実施しました。主催の目的は、登山を通じて安全登山の啓発を行い、初心者コースとしても知名度が高い満観峰にて、専門知識を有した登山ガイドが山の知識や魅力を伝えながら引率する山行を開催し、登山と合わせて観光も楽しめる魅力を発信することが目的です。

満観峰(まんかんほう)は、静岡県静岡市駿河区と焼津市にまたがる標高470mの里山です。高草山・花沢山とともに「焼津アルプス」の一角をなし、山頂の広大な展望広場からは、富士山、駿河湾、南アルプスを望む360度の大パノラマが楽しめます。今回は満観峰の多様な登山コース3箇所から登り、山頂で落ち合うという壮大な計画でした。

3コース登山口から合流
山頂からは富士山も見えます!
環境保全取り組みのお話をさせていただきました
土ローンによる空撮
ツェルト張り講習

山頂では、豚汁にてお客様をおもてなし、さらに技術講習、周辺山域における環境保全の取り組み紹介、ドローンによる空撮など内容の濃いツアーで、お客様も大満足の様子でした。