2026年3月SMNGA研修 『積雪期安全管理研修』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・ビーコンサーチトレーニング、捜索の流れの確認と精度向上
  • 開催日時:2026年3月2日(月)
  • 場所:新潟県湯沢町平標山山麓
  • 参加人数:5名(講師1名含む)

研修内容

雪山において、雪崩に遭わない行動をすることが大切ですが、もし遭遇してしまった場合、埋没者をいかに素早く救助するかが重要です。限られた時間内(およそ15分以内)で雪山の3種の神器「ビーコン」「プローブ」「シャベル」を活用し、救助することが求められます。これらを正しく使い1秒でも早く救助する為、基礎内容の確認から実践を想定したトレーニングまで行いました。


まず、ビーコンに関しては正しく電波を送受信出来なければなりません。そのためには電波干渉を考える必要があり、送信時は電子機器を含む金属類から20cm離すこと、受信時は電子機器より50cm離すことが重要です。実際に10mの距離を離した発信側のビーコンと受信側のビーコンにスマートフォンなどの電子機器やアルミパウチのゼリー飲料など金属を近づけ受信距離にどのくらい影響を及ぼすか確認をしました。
次に入山する際に行うグループチェックの方法に関して実践しました。
ポイントとしてはハーネス装着時の画面の向き、電池残量の確認、スマートフォンなどの電子機器や金属との位置関係、レイヤリングを考慮したハーネスの位置、グループチェック機能の活用、受信チェック時の距離などになります。


曲線を描くように発信される電波特性、概ね1秒の電波発信間隔、これらを意識しながら「シグナルサーチ」「コースサーチ」「ファインサーチ」それぞれの段階で速度と精度のバランスを確認しました。
コースサーチの終盤では精度が重要となってくる為、スピードを抑えることを特に意識して行いました。これは後のファインサーチの時間を減らすことに繋がる為、結果として速い捜索になることを確認しました。

プローブに関しては埋没位置のピンポイント特定として、持ち方、刺し込みの深さ、角度、刺し込み間隔を意識し実施しました。ビーコン不携帯者の捜索方法として用いられるラインプロービング(効率的に広範囲を探す手法)の確認も行いました

スパイラルプロービング
ラインプロービング

シャベリングに関しては迅速な掘り出し作業と体力が必要な為、ポジションのローテーションのタイミング、各ボジションの役割を確認し、実践しました。また、硬い雪の場合のシャベルの使い方も含め確認しました。

ジャベリング

それぞれの動作を確認後、雪崩に遭遇したことを想定してグループレスキューを実践しました。ここではリーダーによる指示、チームワークが重要なポイントとなります。シナリオ終了後、振り返りを行い、良かった点、改善すべき点を話し合い個々の技術を高め合いました。

雪山は夏山とは違った魅力がたくさんあります。一方、雪山ならではのリスクがあることも忘れてはいけません。リスク回避の方法と有事の際に適切な行動がとれるかが重要となります。正しい知識を持って雪山を楽しんでいきましょう。

2026年2月SMNGA研修 『ジオ研修』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・伊豆半島の地理的(ジオ)成立を学び、ガイド活動に生かす。
  • 開催日時:2026年2月24日(火)
  • 場所:達磨山、丹那周辺
  • 参加人数:11名

研修内容

2月24日(火) 伊豆半島にてジオの研修を行いました。
今回も昨年に引き続き、伊豆半島ジオガイド協会の加藤健司さんにガイドをお願いいたしました。

まずは修善寺にある伊豆半島ジオパークミュージアム“ジオリア”にて加藤さんから伊豆半島の成り立ち等についての解説を受けました。

伊豆半島はフィリピン海プレートに属しており、100万年前に本州に衝突したのだそう。伊豆半島の南側は海底火山が多いが、北側は陸上火山が多いという事もジオリアの展示を見るとよくわかります。
驚いたことに入館料は無料!とても興味深い内容の展示ばかりで、是非立ち寄っていただきたい施設です。

伊豆半島はもともと海底火山であったという話など含め、天城山の成り立ちについて解説している加藤さん。事前に予約すれば、解説もしてくれるそうです。

ジオリアの後は場所を移動して達磨山へ。達磨山は陸上火山であったことや、昔の火口の様子を海側に見ることができること、下の写真の戸田の町は噴火口の一部である事などを学んだあと、実際に観察してみます。

達磨山の後は丹那断層公園に移動して、1930年に発生した北伊豆地震で断層がずれた様子を観察しました。

なぜ丹那が牛乳で有名なのか、その秘密も思いがけず知ることができました。
最後は火雷神社へ。
こちらも1930年に丹那断層で発生した北伊豆地震(M7.3・震度7)によって、神社の石段と鳥居の間に約1mの横ずれが生じました。
実際に観察に行くとずれているのが分かります。

今回の研修は色々と知りたいことばかりで、少し詰め込み気味になりましたが、伊豆半島の面白さをまた一つ知ることができました。

2026年1月SMNGA研修 『積雪期レスキュー研修』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・危急時の対応力向上と、危急時のリーダーシップの意識向上、繰り返し練習によるスキルアップ
  • 開催日時:2026年1月27日(火)
  • 場所:黒姫高原スノーパーク〜信濃路自然歩道
  • 参加人数:12名(講師1名含む)

研修内容

どんなに慎重に行動していても、遭遇する可能性があるのがトラブル。
今回の研修のお題目は、具合が悪くなったり、怪我等で自力移動が出来なくなった傷病者がパーティー内で発生した際の搬送技術と付随する技術の研修です。

ガイドが日頃から携帯してるツエルトやロープスリング類を利用して、傷病者を包んで雪上を引っ張って移動するシート梱包技術です。
まず平らな場所で、シート梱包を行う際の保温や傷病者の包み方の復習です。

次に6人グループで、なるべく自分で手を出してやってみます。この技術は人数がそろわないとできないので、ガイドでもあまり練習の機会がない技術です.

次にフィールドに出て、ルート上の小雪庇や隠れた穴等で足を取られて小滑落をしたメンバーを引き上げる訓練.

最後に小滑落をしたメンバーが自力移動ができないことを想定して、シート梱包をしてグループでヘリ搬送ができる地点まで移動する訓練をしました。
水平移動できる地点まで協力して引き上げたり、狭い場所を再滑落しないようにビレイしながら移動する訓練をしました。
机上ではなかなか想定できない点が、現場では発生するのでいろいろ考えながら動くことが良い訓練になりました

2026年1月SMNGA研修 『積雪期読図自然観察研修』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・登山道の隠れた積雪の里山で読図とそこに至るルート取りを考え実践すること。
    ・積雪期の自然を観察し、冬芽や葉痕、足跡などを覚えること。
  • 開催日時:2026年1月26日(月)
  • 場所:信越トレイル袴池周辺
  • 参加人数:11名(講師含む)

研修内容

積雪時は登山道が雪の下に隠れ、どこでも歩けるようになります。その反面、常に現在地を把握して特徴的な地形を見逃さないように行動する必要があります。
今回も昨年に引き続き、寒波による降雪後ということでスノーシューでも膝上の積雪となり、ラッセル技術、危険地形を察知して対処するルート取りも考えながら行動することが求められました。

ラッセルに精一杯で距離感が鈍ったり、周りの地形をあまり見ていなかったりと、大きな気付きとなりました。

スタート地点から膝上のラッセル 交代しながら進みます
斜度が急になってラッセル苦戦 距離感が鈍ります

積雪もあって読図ポイントを絞っての行動となりましたが、ポイント間は周りの地形をよく観察してルート取りを考え、なぜこのポイントかという理由を共有しながら進みました。

ルート取りはどこが無理無く進めるのか
ここで良い?その根拠は?共有します
次のポイントは。。。

そしてところどころで特徴のある木々のタネや冬芽、葉痕などを観察して解説ネタを
増やします。

冬芽の観察中
落ちていたハンノキの枝を使って解説中
笑顔な葉痕はサワグルミ
筆を思わせる大きめの冬芽はホウノキ
ちょうどノウサギが走っていきました

ふかふかの雪の上を歩くスノーシューハイキングや歩くスキーなど、雪の森をガイドと一緒にのんびり楽しんでみませんか。

2025年12月SMNGA研修 『クライミング研修』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・登山ガイド中にも使用する機会のある、カラビナ、スリング、ロープなどのギアの種類、正しい使用方法、用途を理解する
    ・トップロープで自然の岩を登る体験
    ・ビレイの確認、実践
    ・懸垂下降について、懸垂下降時のバックアップのとり方を理解する
  • 開催日時:2025年12月15日(月)
  • 場所:静岡県沼津市 ペンシルウォール
  • 参加人数:8名

研修内容

クライミング中に使用するカラビナやスリング、ロープですが私たちの登山ガイド業務中にも触れる機会があるものです。今回はそれらの道具について正しい使用方法や種類、いつどのような物を使用するのがよいのかなどを資料を基に説明しました。
岩場は日が当たらずとても寒かったため、少し早めに切り上げて実際に登ってもらう事に。

研修で使用した岩場は静岡県沼津市にあるペンシルウォールです。
5.7、5.8位のグレードも色々揃っていて練習するのに良い岩場です。平日という事もあり岩場は貸し切りでした。
参加の皆様はクライミングが久しぶりとの事でしたが、とても楽しそうでした!
どういう風に登るのか、皆様で色々いいながら登れない所を登れる達成感を味わっていただけたようでした。
垂壁、スラブっぽいもの、少しだけ傾斜のあるものなど種類が違うもの4,5本をトップロープで体験して頂きました。

懸垂下降についても触れました。登山ガイド中に懸垂下降を使用することはほぼありませんが、クライミング中には使用する機会が多い技術の一つです。
バックアップのとり方も含めシステムについて理解していただけるよう、皆様にもこの後実践していただきました。

今回の研修は登山ガイド中に主に使用する道具や技術というよりも、クライミング寄りのものでしたが、登山ガイドとしても知っておいた方がよいと思うものを取り上げました
実際の岩を登ってトップロープでクライミングを体験していただくことで、クライミングの楽しさを味わっていただけたのかなと思います。

2025年11月SMNGA研修 『個人事業主として知っておきたい知識・公的制度』

研修の概要

  • 研修の目的:
    確定申告、労災、国の事業資金融資制度・補助金・小規模企業共済など国・県の制度等についての知識を習得する。
  • 開催日時:2025年11月29日(土)
  • 場所:静岡市清水商工会 興津事務所
  • 参加人数:
    8名 オンライン参加者8名

研修内容

会場参加できる方は静岡市清水商工会会議室で、遠方の会員はオンラインで参加して
■正しい記帳と確定申告のポイント
■フリーランス(登山ガイドも含む)にも広がった「労災特別加入制度」
■国や県の「補助金・融資制度」
■将来に備える「小規模企業共済」
などについて学びました。

会場の様子

オンラインでも配信しました

会場参加者は興津名物「鯛焼き」で息抜き

2025年12月SMNGA研修 『自然観察』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・樹木を覚えるための観察のコツやヒントを学ぶ
  • 開催日時:2025年12月1日(月)
  • 場所:静岡県伊東市大平山周辺地形
  • 参加人数:
    7名

研修内容

常緑樹にスポットを当て、見分け方のコツを学んだり、ネイチャーゲームで五感を刺激しながら、気にも留めていなかった自然に興味を持ってもらうテクニックなどを学びました。

何気ない登山道には樹木を知るヒント(枯れ葉や実)がたくさん落ちています。

落ち葉を拾って同定をし、仲間ごと集めて紅葉のグラデーションを楽しみました。ルーペは自然観察の必須アイテム。新しい世界を楽しめます。

樹木と真剣に向き合えば、色々なメッセージを受け取ることが出来ます。
学びの最大の燃料は好奇心です。興味を持つことで、知らないことを知るために行動するようになり、知識が増えます。小春日和の暖かい日差しの中、よい学び合いの機会となりました。

2025年11月SMNGA研修 『ロープワーク基礎・ショートロープ実践』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・ガイドとして覚えておくべきロープワークの復習
    ・ショートロープを使った補助の実践練習
  • 開催日時:2025年11月2日(日)~3日(月)
  • 場所:山梨県甲府市黒平町 マウントピア黒平(くろべら)
  • 参加人数:
    ロープワーク基礎13名
    ショートロープ実践15名

研修内容

恒例となりつつある(?)11月研修は、マウントピア黒平で2日間ロープワークを行いました。

初日のロープワーク基礎では、マウントピア黒平の広場と斜面をお借りして、基本的な結びやシステムなど実際に手を動かしながら復習。
普段ロープを使わない方も改めてやり方を確認できる機会となること、実際に手を動かす、をテーマに行いました。
基本的な結びに関しては、まず個人が覚えている結び方で結んでもらい、その後確認の意味を込めて結びを全員で揃って行う形式にしました。


頭で分かっていると思っていたのに実際やろうとすると意外と上手くいかない…など「気付く」きっかけとなるのが狙いです。
その他、固定ロープやロワリング、3:1システムでの引き上げ…最後にショートロープのセッティングを復習して終了となりました。

研修初参加の方もいましたが、参加者同士で教え合ったり、使っている道具や技術の今昔など情報交換したりと、交流の場としても充実した研修となりました。

2日目のショートロープ実践では、燕岩岩脈の岩稜へのアプローチで、お客様役とガイド役を交代しつつショートロープで確保を行いながら進みます。

燕岩岩脈は、山梨百名山の黒富士の火山活動で出来た岩稜です。マグマや溶岩が冷えて固まった安山岩で、柱状節理や板状節理を見ることが出来ます。そういった岩が露出している尾根上で両側もスパッと切れているので、ロープを使った確保が必要になります。

実際にショートロープが必要となるような場面に近い、リアルな状況での練習です。
安全なルートを取りつつ、登りや下りの場面では「お客様と同時に行けるか?支点を探して確保を行うべきか?」、「支点にできそうなものは?強度は充分か?」、「こちら側に落ちる可能性が高いなら、この向きよりこちらからロープを回すべきでは?」等々…考えるべきことは目白押しです。
正確であることはもちろんのこと、危険箇所に長居しないためにもスピードも求められます。
現場で必須の「判断力」を鍛えるのに非常に良いフィールドでした。

どの研修の際も感じますが、参加者どの方も自己研鑽の意欲が高い、と感じます。
参加者同士で良い刺激をしあい、今後の自身の活動へ活かせる有意義な研修となったと思います。

2025年9月SMNGA研修 『栂池自然園はどのようにしてできたか?』

研修の概要

  • 研修の目的:
    栂池自然園はどのような場所にできたのか」を地形・地質・植生に目を向け、地学の専門家の解説を聞き、ガイドツアーに活かせる知識の習得
  • 開催日時:2025年9月11日(木)
  • 場所:栂池自然園
  • 参加人数:8名

研修内容

栂池自然園は、北アルプスの登山口であり、春はミズバショウ、夏は亜高山〜高山植物、秋は紅葉、冬はスノーシューやバックカントリースキーと一年中訪れる人が多い山岳観光地です。
今回「栂池自然園がどのような場所にできたのか」をテーマに「地久学舎」の富樫均氏をお迎えして園内を歩きながら紐解いていきました。

雨の降る前に早速出発。自然園入口にて集合写真。
歩き始めてすぐに植物、食害調査の一団に遭遇。木道脇にはミズバショウの根をイノシシが掘って食べた現場が沢山ある。

日本有数の高層湿原と紹介されている栂池自然園ですが、よく見ると低層湿原、高層湿原、池塘、沢、ササ藪、針広混交林、風穴のある小ピーク、緩やかな斜面など様々な環境がモザイク状になっていました。

ミズバショウ湿原で低層湿原、高層湿原が棲み分けられ、湿原は広大なエリアに点在し、笹藪、針広混交林、池塘、小ピークなど様々な環境がモザイク状になっていると説明を受ける。そういえば樹林帯が多い印象の自然園内。
浮島湿原で池塘のでき方の説明を受け、昼食後に地質図を見ながら栂池自然園がどのような場所にできたのかを解き明かす。

これまで栂池自然園は白馬乗鞍岳の火山活動によってできたとされていましたが、2000年以降の研究で大規模な地滑り地の中にあることがわかりました。

小蓮華山から白馬乗鞍岳への稜線が見えてきたところで目を凝らして稜線直下の岩壁を確認。岩壁の下から斜度が変わっているのは地滑りの痕跡。

地滑りは十数万〜数万年前の期間に大小何回も繰り返され現在の栂池自然園の地形が出来ました。
地滑りによってできた地形は起伏があり、窪地に湿原ができ、高まりには森林やササ藪、さらに大きな高まりが小ピークにと狭い範囲に環境の変化ができたという訳です。

楠川の河原から見える崩壊堆積物の路頭。山側に傾き、礫層の間に砂岩泥岩層が確認できる。崩壊堆積物の上に水が溜まり、砂岩泥岩が堆積、その上にさらに崩壊堆積物が溜まることを何度も繰り返したことがわかる場所と説明を受ける。
傾きは地滑りした時に起こる円弧滑りの一環。

富樫氏の解説により、これまでと栂池自然園の見方が変わった研修になりました。
花の時期も紅葉の時期も素晴らしいですが、地形や地質の視点でガイドと一緒に
栂池自然園を歩いてみるのはいかがですか

2025年5月SMNGA研修 『夏山ガイドに使える野鳥を中心とした自然ガイド』

研修の概要

  • 研修の目的:
    上高地は、散策中に多くの鳥たちに出会える貴重な場所です。今回の野鳥研修は2日間にわたって実施しました。
  • 開催日時:2025年5月25日(日)~26日(月)
  • 場所:上高地 小梨平~明神池
  • 参加人数:5名

研修内容

1日目

午後に上高地ビジターセンターに集合し、まず驚いたのはビジターセンター入り口のすぐそばでカワガラスが営巣していたこと! カワガラスは上高地では比較的よく見られる鳥ですが、子育ての様子を間近で見られる機会はそう多くありません。ヒナが3羽確認でき、ガイドの皆さんも私も大興奮でした。
この日は座学が中心で、鳥の基礎知識や、上高地で見られる鳥・見られない鳥、ガイド中に話せる雑学などをお伝えしました。
宿泊は小梨平キャンプ場でのテント泊。上高地では夜に鳴く鳥が何種類かいます。この夜も、トラツグミやヨタカ、ホトトギスなどの声が聞こえ、参加者の皆さんも気づいていたようです。

カワガラスのヒナ

2日目

野鳥研修を2日間行う理由は、早朝の雰囲気を体験していただくためです。野鳥たちは夜明け前からさえずり始め、特に日の出後がもっともにぎやかになります。いろいろな種がいっせいに鳴くため、聞き分けは難しいですが、まさに鳥たちの演奏会といった雰囲気が高原らしい爽やかさを演出してくれます。前日の日中とはまったく違う印象を受けるはずです。
テントを撤収したあと、まずは岳沢湿原へ。歩き始めてすぐに前日観察したカワガラスやキセキレイの親子、木のてっぺんでさえずるアカハラなどじっくり観察することが出来ました。ただ、こんなに近くで見られても、意識していないと見逃してしまうのが「野鳥」。識別はやはり難しいですね。

小梨平で早朝観察会

上高地の鳥たち

岳沢湿原では、マガモとオシドリという2種のカモがじっくり観察できます。
「山なのにカモ?」と思われるかもしれませんが、夏にこの2種が見られる地域はあまりありません。カモの仲間であるカルガモは都市部でもよく見られますが、夏に見られるのはほとんどこのカルガモだけです。こうした点も上高地の魅力の一つです。

散策路では、センダイムシクイ、メボソムシクイ、コルリ、キビタキといった夏鳥を観察しました。姿を見つけるのは難しくても、声を覚えるだけで散策の楽しさは倍増します。
ウグイスやエナガなど、通年見られる野鳥にも出会えましたが、「どこにいるのかわからない…」という声も。そんなときは、野鳥の生態を知ることが大切です。上高地にいるすべての鳥を覚えるのは大変ですが、まずはウグイスやエナガなど、よく知られた鳥や自分の好きな鳥から覚えていくと、鳥への親近感も湧いてきます

オシドリ夫婦。一年で婚姻関係は解消します・・・

自然解説も一緒に

自分自身も鳥だけを見てガイドすることはありません。歩く中で出会う植物や動物、風景もあわせて紹介します。さらに、岩石や天気の話題も加えることで、ガイド内容に厚みが出ます。今回も参加されたガイドの皆さんと、上高地の自然について語り合いながら進めることができ、とても有意義な研修となりました。

出現した野鳥

ホトトギス、ヨタカ、フクロウ、トラツグミ、ヒガラ、シジュウカラ、ウグイス、センダイムシクイ、メボソムシクイ、アカゲラ、アオゲラ、コゲラ、ミソサザイ、カワガラス、オオルリ、キビタキ、マガモ、オシドリ、コマドリ、コルリ、キセキレイ、アカハラ、アオジ、クロジ、コガラ、キバシリ、ハシブトガラス、キジバト、ゴジュウカラ、エナガ、ウソ、エゾムシクイ、コサメビタキ、イカルチドリ、キクイタダキ