2026年1月SMNGA研修 『積雪期読図自然観察研修』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・登山道の隠れた積雪の里山で読図とそこに至るルート取りを考え実践すること。
    ・積雪期の自然を観察し、冬芽や葉痕、足跡などを覚えること。
  • 開催日時:2026年1月26日(月)
  • 場所:信越トレイル 袴池周辺
  • 参加人数:11名(講師含む)

研修内容

積雪時は登山道が雪の下に隠れ、どこでも歩けるようになります。その反面、常に現在地を把握して特徴的な地形を見逃さないように行動する必要があります。
今回も昨年に引き続き、寒波による降雪後ということでスノーシューでも膝上の積雪となり、ラッセル技術、危険地形を察知して対処するルート取りも考えながら行動することが求められました。

ラッセルに精一杯で距離感が鈍ったり、周りの地形をあまり見ていなかったりと、大きな気付きとなりました。

スタート地点から膝上のラッセル 交代しながら進みます
斜度が急になってラッセル苦戦 距離感が鈍ります

積雪もあって読図ポイントを絞っての行動となりましたが、ポイント間は周りの地形をよく観察してルート取りを考え、なぜこのポイントかという理由を共有しながら進みました。

ルート取りはどこが無理無く進めるのか
ここで良い?その根拠は?共有します
次のポイントは。。。

そしてところどころで特徴のある木々のタネや冬芽、葉痕などを観察して解説ネタを
増やします。

冬芽の観察中
落ちていたハンノキの枝を使って解説中
笑顔な葉痕はサワグルミ
筆を思わせる大きめの冬芽はホウノキ
ちょうどノウサギが走っていきました

ふかふかの雪の上を歩くスノーシューハイキングや歩くスキーなど、雪の森をガイドと一緒にのんびり楽しんでみませんか。

2025年12月SMNGA研修 『クライミング研修』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・登山ガイド中にも使用する機会のある、カラビナ、スリング、ロープなどのギアの種類、正しい使用方法、用途を理解する
    ・トップロープで自然の岩を登る体験
    ・ビレイの確認、実践
    ・懸垂下降について、懸垂下降時のバックアップのとり方を理解する
  • 開催日時:2025年12月15日(月)
  • 場所:静岡県沼津市 ペンシルウォール
  • 参加人数:8名

研修内容

クライミング中に使用するカラビナやスリング、ロープですが私たちの登山ガイド業務中にも触れる機会があるものです。今回はそれらの道具について正しい使用方法や種類、いつどのような物を使用するのがよいのかなどを資料を基に説明しました。
岩場は日が当たらずとても寒かったため、少し早めに切り上げて実際に登ってもらう事に。

研修で使用した岩場は静岡県沼津市にあるペンシルウォールです。
5.7、5.8位のグレードも色々揃っていて練習するのに良い岩場です。平日という事もあり岩場は貸し切りでした。
参加の皆様はクライミングが久しぶりとの事でしたが、とても楽しそうでした!
どういう風に登るのか、皆様で色々いいながら登れない所を登れる達成感を味わっていただけたようでした。
垂壁、スラブっぽいもの、少しだけ傾斜のあるものなど種類が違うもの4,5本をトップロープで体験して頂きました。

懸垂下降についても触れました。登山ガイド中に懸垂下降を使用することはほぼありませんが、クライミング中には使用する機会が多い技術の一つです。
バックアップのとり方も含めシステムについて理解していただけるよう、皆様にもこの後実践していただきました。

今回の研修は登山ガイド中に主に使用する道具や技術というよりも、クライミング寄りのものでしたが、登山ガイドとしても知っておいた方がよいと思うものを取り上げました
実際の岩を登ってトップロープでクライミングを体験していただくことで、クライミングの楽しさを味わっていただけたのかなと思います。

2025年11月SMNGA研修 『個人事業主として知っておきたい知識・公的制度』

研修の概要

  • 研修の目的:
    確定申告、労災、国の事業資金融資制度・補助金・小規模企業共済など国・県の制度等についての知識を習得する。
  • 開催日時:2025年11月29日(土)
  • 場所:静岡市清水商工会 興津事務所
  • 参加人数:
    8名 オンライン参加者8名

研修内容

会場参加できる方は静岡市清水商工会会議室で、遠方の会員はオンラインで参加して
■正しい記帳と確定申告のポイント
■フリーランス(登山ガイドも含む)にも広がった「労災特別加入制度」
■国や県の「補助金・融資制度」
■将来に備える「小規模企業共済」
などについて学びました。

会場の様子

オンラインでも配信しました

会場参加者は興津名物「鯛焼き」で息抜き

2025年12月SMNGA研修 『自然観察』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・樹木を覚えるための観察のコツやヒントを学ぶ
  • 開催日時:2025年12月1日(月)
  • 場所:静岡県伊東市大平山周辺地形
  • 参加人数:
    7名

研修内容

常緑樹にスポットを当て、見分け方のコツを学んだり、ネイチャーゲームで五感を刺激しながら、気にも留めていなかった自然に興味を持ってもらうテクニックなどを学びました。

何気ない登山道には樹木を知るヒント(枯れ葉や実)がたくさん落ちています。

落ち葉を拾って同定をし、仲間ごと集めて紅葉のグラデーションを楽しみました。ルーペは自然観察の必須アイテム。新しい世界を楽しめます。

樹木と真剣に向き合えば、色々なメッセージを受け取ることが出来ます。
学びの最大の燃料は好奇心です。興味を持つことで、知らないことを知るために行動するようになり、知識が増えます。小春日和の暖かい日差しの中、よい学び合いの機会となりました。

2025年11月SMNGA研修 『ロープワーク基礎・ショートロープ実践』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・ガイドとして覚えておくべきロープワークの復習
    ・ショートロープを使った補助の実践練習
  • 開催日時:2025年11月2日(日)~3日(月)
  • 場所:山梨県甲府市黒平町 マウントピア黒平(くろべら)
  • 参加人数:
    ロープワーク基礎13名
    ショートロープ実践15名

研修内容

恒例となりつつある(?)11月研修は、マウントピア黒平で2日間ロープワークを行いました。

初日のロープワーク基礎では、マウントピア黒平の広場と斜面をお借りして、基本的な結びやシステムなど実際に手を動かしながら復習。
普段ロープを使わない方も改めてやり方を確認できる機会となること、実際に手を動かす、をテーマに行いました。
基本的な結びに関しては、まず個人が覚えている結び方で結んでもらい、その後確認の意味を込めて結びを全員で揃って行う形式にしました。


頭で分かっていると思っていたのに実際やろうとすると意外と上手くいかない…など「気付く」きっかけとなるのが狙いです。
その他、固定ロープやロワリング、3:1システムでの引き上げ…最後にショートロープのセッティングを復習して終了となりました。

研修初参加の方もいましたが、参加者同士で教え合ったり、使っている道具や技術の今昔など情報交換したりと、交流の場としても充実した研修となりました。

2日目のショートロープ実践では、燕岩岩脈の岩稜へのアプローチで、お客様役とガイド役を交代しつつショートロープで確保を行いながら進みます。

燕岩岩脈は、山梨百名山の黒富士の火山活動で出来た岩稜です。マグマや溶岩が冷えて固まった安山岩で、柱状節理や板状節理を見ることが出来ます。そういった岩が露出している尾根上で両側もスパッと切れているので、ロープを使った確保が必要になります。

実際にショートロープが必要となるような場面に近い、リアルな状況での練習です。
安全なルートを取りつつ、登りや下りの場面では「お客様と同時に行けるか?支点を探して確保を行うべきか?」、「支点にできそうなものは?強度は充分か?」、「こちら側に落ちる可能性が高いなら、この向きよりこちらからロープを回すべきでは?」等々…考えるべきことは目白押しです。
正確であることはもちろんのこと、危険箇所に長居しないためにもスピードも求められます。
現場で必須の「判断力」を鍛えるのに非常に良いフィールドでした。

どの研修の際も感じますが、参加者どの方も自己研鑽の意欲が高い、と感じます。
参加者同士で良い刺激をしあい、今後の自身の活動へ活かせる有意義な研修となったと思います。

2025年9月SMNGA研修 『栂池自然園はどのようにしてできたか?』

研修の概要

  • 研修の目的:
    栂池自然園はどのような場所にできたのか」を地形・地質・植生に目を向け、地学の専門家の解説を聞き、ガイドツアーに活かせる知識の習得
  • 開催日時:2025年9月11日(木)
  • 場所:栂池自然園
  • 参加人数:8名

研修内容

栂池自然園は、北アルプスの登山口であり、春はミズバショウ、夏は亜高山〜高山植物、秋は紅葉、冬はスノーシューやバックカントリースキーと一年中訪れる人が多い山岳観光地です。
今回「栂池自然園がどのような場所にできたのか」をテーマに「地久学舎」の富樫均氏をお迎えして園内を歩きながら紐解いていきました。

雨の降る前に早速出発。自然園入口にて集合写真。
歩き始めてすぐに植物、食害調査の一団に遭遇。木道脇にはミズバショウの根をイノシシが掘って食べた現場が沢山ある。

日本有数の高層湿原と紹介されている栂池自然園ですが、よく見ると低層湿原、高層湿原、池塘、沢、ササ藪、針広混交林、風穴のある小ピーク、緩やかな斜面など様々な環境がモザイク状になっていました。

ミズバショウ湿原で低層湿原、高層湿原が棲み分けられ、湿原は広大なエリアに点在し、笹藪、針広混交林、池塘、小ピークなど様々な環境がモザイク状になっていると説明を受ける。そういえば樹林帯が多い印象の自然園内。
浮島湿原で池塘のでき方の説明を受け、昼食後に地質図を見ながら栂池自然園がどのような場所にできたのかを解き明かす。

これまで栂池自然園は白馬乗鞍岳の火山活動によってできたとされていましたが、2000年以降の研究で大規模な地滑り地の中にあることがわかりました。

小蓮華山から白馬乗鞍岳への稜線が見えてきたところで目を凝らして稜線直下の岩壁を確認。岩壁の下から斜度が変わっているのは地滑りの痕跡。

地滑りは十数万〜数万年前の期間に大小何回も繰り返され現在の栂池自然園の地形が出来ました。
地滑りによってできた地形は起伏があり、窪地に湿原ができ、高まりには森林やササ藪、さらに大きな高まりが小ピークにと狭い範囲に環境の変化ができたという訳です。

楠川の河原から見える崩壊堆積物の路頭。山側に傾き、礫層の間に砂岩泥岩層が確認できる。崩壊堆積物の上に水が溜まり、砂岩泥岩が堆積、その上にさらに崩壊堆積物が溜まることを何度も繰り返したことがわかる場所と説明を受ける。
傾きは地滑りした時に起こる円弧滑りの一環。

富樫氏の解説により、これまでと栂池自然園の見方が変わった研修になりました。
花の時期も紅葉の時期も素晴らしいですが、地形や地質の視点でガイドと一緒に
栂池自然園を歩いてみるのはいかがですか

2025年5月SMNGA研修 『夏山ガイドに使える野鳥を中心とした自然ガイド』

研修の概要

  • 研修の目的:
    上高地は、散策中に多くの鳥たちに出会える貴重な場所です。今回の野鳥研修は2日間にわたって実施しました。
  • 開催日時:2025年5月25日(日)~26日(月)
  • 場所:上高地 小梨平~明神池
  • 参加人数:5名

研修内容

1日目

午後に上高地ビジターセンターに集合し、まず驚いたのはビジターセンター入り口のすぐそばでカワガラスが営巣していたこと! カワガラスは上高地では比較的よく見られる鳥ですが、子育ての様子を間近で見られる機会はそう多くありません。ヒナが3羽確認でき、ガイドの皆さんも私も大興奮でした。
この日は座学が中心で、鳥の基礎知識や、上高地で見られる鳥・見られない鳥、ガイド中に話せる雑学などをお伝えしました。
宿泊は小梨平キャンプ場でのテント泊。上高地では夜に鳴く鳥が何種類かいます。この夜も、トラツグミやヨタカ、ホトトギスなどの声が聞こえ、参加者の皆さんも気づいていたようです。

カワガラスのヒナ

2日目

野鳥研修を2日間行う理由は、早朝の雰囲気を体験していただくためです。野鳥たちは夜明け前からさえずり始め、特に日の出後がもっともにぎやかになります。いろいろな種がいっせいに鳴くため、聞き分けは難しいですが、まさに鳥たちの演奏会といった雰囲気が高原らしい爽やかさを演出してくれます。前日の日中とはまったく違う印象を受けるはずです。
テントを撤収したあと、まずは岳沢湿原へ。歩き始めてすぐに前日観察したカワガラスやキセキレイの親子、木のてっぺんでさえずるアカハラなどじっくり観察することが出来ました。ただ、こんなに近くで見られても、意識していないと見逃してしまうのが「野鳥」。識別はやはり難しいですね。

小梨平で早朝観察会

上高地の鳥たち

岳沢湿原では、マガモとオシドリという2種のカモがじっくり観察できます。
「山なのにカモ?」と思われるかもしれませんが、夏にこの2種が見られる地域はあまりありません。カモの仲間であるカルガモは都市部でもよく見られますが、夏に見られるのはほとんどこのカルガモだけです。こうした点も上高地の魅力の一つです。

散策路では、センダイムシクイ、メボソムシクイ、コルリ、キビタキといった夏鳥を観察しました。姿を見つけるのは難しくても、声を覚えるだけで散策の楽しさは倍増します。
ウグイスやエナガなど、通年見られる野鳥にも出会えましたが、「どこにいるのかわからない…」という声も。そんなときは、野鳥の生態を知ることが大切です。上高地にいるすべての鳥を覚えるのは大変ですが、まずはウグイスやエナガなど、よく知られた鳥や自分の好きな鳥から覚えていくと、鳥への親近感も湧いてきます

オシドリ夫婦。一年で婚姻関係は解消します・・・

自然解説も一緒に

自分自身も鳥だけを見てガイドすることはありません。歩く中で出会う植物や動物、風景もあわせて紹介します。さらに、岩石や天気の話題も加えることで、ガイド内容に厚みが出ます。今回も参加されたガイドの皆さんと、上高地の自然について語り合いながら進めることができ、とても有意義な研修となりました。

出現した野鳥

ホトトギス、ヨタカ、フクロウ、トラツグミ、ヒガラ、シジュウカラ、ウグイス、センダイムシクイ、メボソムシクイ、アカゲラ、アオゲラ、コゲラ、ミソサザイ、カワガラス、オオルリ、キビタキ、マガモ、オシドリ、コマドリ、コルリ、キセキレイ、アカハラ、アオジ、クロジ、コガラ、キバシリ、ハシブトガラス、キジバト、ゴジュウカラ、エナガ、ウソ、エゾムシクイ、コサメビタキ、イカルチドリ、キクイタダキ

2025年6月SMNGA研修 『沢歩き 幕営・読図』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・沢を歩くときに必要な目線と技術を学ぶ
  • 開催日時:2025年6月1日(日)~2日(月)
  • 場所:ナメラ沢・久渡沢
  • 参加人数:6名

研修内容

パーティリーダーとして沢に行くときに必要な目線や思考・知識と技術習得を目的にしました

逃げ道を確保する

道のない場所を前進する場合には退路を整えておくことはとても大切です。まず集合時から地図上で沢への入渓点を考えてもらい参加者の挙げた複数のポイントを実際はどんな地形になっているか見に行きました。
ロープを使わずに入渓できる場所はそのまま沢から登って脱渓できる場所になるので、翌日に沢を下降してきたときの脱渓ポイントを事前に複数の場所で見つけておいたことになります。

思い込みなく判断する

パーティリーダーとして必要なことは技術や知識だけでなく、目の前にある自然物や自然現象を思い込みなく判断をする必要があります。リーダーはパーティメンバーの能力を考えながら登山道のない場所においての歩くラインや声かけ・対応が必要な場合には安全に通過できるようにフォローを行いますが、リーダーが思考のバイアスを持たないように意識する必要があります。

地図読み

地図読みでは、自分の位置や方向を起点にしたヘディングアップと東西南北のコンパス角を起点にしたノースアップの違いが重要ですが、今まで地図読みとして学んできた技術がどちらに当たるのか整理しました。

支点構築と確保

小滝ではルートの見極めと退路の確保(エスケープのプラン)や合図を決めておくことをスピード感もって行えたチームから登りました。登行後に各チームがどのような考えでセカンドを確保したかを全員で振り返り講評。支点強度の評価や立ち位置と合図、手順がテキパキ行えたかや作った確保システム自体の良し悪しがポイントになりました。

幕営

各自幕営具をセットした後、夕食としました。何人かで火の手当をしましたが、火の付け方や火の維持、地面へのダメージを防ぐことや自然分解する形(炭でなく灰)で終えることなど必要な配慮の話をしました。

下降技術

ロープのまとめ方や基本的な懸垂下降の手順を講習してから、2人1組となり尾根から沢へ2ピッチの懸垂で再入渓しました。2人で下降するときは支点や下降ライン・ピッチを切る場所などをあらかじめ2人で話し、崩落や落石のケアなどにも注意する必要があります。

昨日登った小滝では各自懸垂下降を行い、久渡沢では12m滝を斜めに懸垂下降しました。岩角を避けたりハングや斜めに降りる場合の体が振られる対応、下降支点が自分より下にある時に最初にぶら下がるコツなどもあります。

最後に、前日に見つけておいた脱渓ポイントから林道へ上がり下山しました。

2025年5月SMNGA研修 『富士講の歴史』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・関東の富士講と関西の富士講の違いを理解する
  • 開催日時:2025年5月14日(水)
  • 場所:午前 富士山環境交流プラザ 午後 人穴富士講遺跡・村山浅間神社
  • 参加人数:8名
  • 講師:静岡県富士山世界遺産センター 大高康正さん

研修内容

静岡県富士山世界遺産センターの大高康正さんより、関東地方や東海・近畿地方を中心に全国各地に富士山を信仰するためのグループとして結成された富士講について講習をしていただきました

富士山の噴火が一段落すると、修験者と呼ばれる人達が富士山を山岳修行の地として、開削して富士山へ登拝するようになっていきました

15~16世紀になると、一般の人たちも富士山へ登拝するようになり講を結成して富士山を目指すようになりました。
講とは、同一の信仰を持つ人々による結社の事で当時富士山へ登山するのには往復1週間~1カ月もの時間を要し、また費用も必要となったため仲間で毎月お金を集め、くじに当たった代表者が富士山へ登山していたそうです
現在の富士宮口方面からの富士講は東海道を使用して富士山に登拝する人達が多かったため三重県などの西側からの富士講が多く、山梨県側は江戸を含む関東方面からの富士講が多く利用していたようです。

近代登山では富士山の山頂でご来光を見ようという登山者が多いですが、富士講の方達は内院(富士山頂のお鉢の中)の大日如来を拝み、またお鉢(かつては御八葉といわれていた)の8つのピークにあるそれぞれの仏を拝むために登拝をしていたという事もお話いただきました。

午後からは村山浅間神社と人穴富士講遺跡を訪れました。

村山浅間神社は明治時代初めまで、京都の聖護院を本寺とする修験道の拠点、富士山興法寺であり、富士山の山岳修行の修験の中心地でありました。

神仏分離令による廃仏毀釈運動により富士山からおろされた貴重な仏像を見ることができる大日堂を見せていただき、元氏子総代の山本哲さんよりご説明もいただきました。
土日は一般の方にも公開しているそうです。

また境内には水垢離場(富士山に登る前に身を清める場所)があり、実際に見ることができます。

その後、人穴富士講遺跡も見学しました。ここは長谷川角行(富士講の開祖)が修行した場所であり、富士講の講員が訪れた際に建立した約200基もの碑塔群が残されている場所です。現在は、溶岩洞穴の中に入ることはできませんが入口や碑塔は見学することができます。

残されている多くの碑塔を見ると富士講の方々が富士山に登拝し、ここを訪れた光景が目に浮かぶようでした。

富士山もこういった歴史的背景を知って登山をすると、今までとは違った側面が見えてくるかもしれませんね

2025年4月SMNGA研修 『危急時対応』

研修の概要

  • 研修の目的:
    ・所属ガイドのスキル維持とスキルアップ
  • 開催日時:2025年4月19日(土)
  • 場所:国立中央青少年交流の家 富士のさと
  • 参加人数:14名

研修内容

総会の前日、恒例の危急時対応研修会を行いました。

今年のテーマは、知っているけど日頃ほとんど使う機会がない技術の復習

静岡山岳自然ガイド協会は日頃クライミングガイドを行っている者は少なく、登山ガイド、自然ガイドを行っている会員がほとんどです。だから普段のガイド活動では、ロープ関係はザックの中にしまわれていることが多いです。また里山に近いフィールドで自然ガイドを行う場合、フルの登山ガイド装備を持たずちょっとしたロープやスリングだけ装備に入れていることもあります。(それでも最低限の安全装備は持っていますよ。)

そういった少ない装備でも、いざとなった時のお客様の安全確保をするための技術を復習しました。

ザック搬送のバリエーションの確認
ビレイ技術の確認
皆で意見を出し合い確認します。
引き上げの確認

これで、今年のガイド活動への準備も万全です。